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マウンテンバイクやBMX、一部のクロスバイクを買ったら、タイヤのバルブがママチャリと違う太い形だった。家にある空気入れを当ててみたけれど、うまくはまらない。そんな経験から「アメリカ式の空気入れ」を探している方は多いと思います。
先に結論をお伝えすると、アメリカ式(米式)バルブには「米式対応」と明記された口金のフロアポンプを選べば問題なく空気が入ります。英式専用の昔ながらのポンプでは入りません。最近のゲージ付きフロアポンプは、仏式と米式を差し込むだけで自動判別する口金が主流なので、1台持っておけばスポーツ車にもママチャリにも使い回せます。
この記事では、米式バルブの見分け方から、空気の入れ方の手順、ポンプ選びで見るべき数字、メーカー公式スペックで比べた3台、ガソリンスタンドや出先での対処まで、売り場で質問されることの多い順にまとめました。
・米式バルブを英式・仏式と見分ける方法と、使える空気入れの条件
・米式バルブへの空気の入れ方(4ステップ)と単位換算の目安
・TOPEAK/パナレーサー/GIYOのフロアポンプ3台の公式スペック比較
・ガソリンスタンドや出先で空気を入れるときの注意点
アメリカ式バルブってどれのこと?ママチャリのバルブとの見分け方

太くて車と同じ形なら、それがアメリカ式です
アメリカ式バルブ(米式・シュレーダーバルブ)は、自動車のタイヤと同じ形をした太めのバルブです。キャップを外すと、筒の中心に小さなピンが1本見えます。これが見分けの決め手です。
比べてみると違いがはっきりします。ママチャリの英式バルブは先端に袋ナットがあり、中に虫ゴムが入っている形。ロードバイクやクロスバイクに多い仏式バルブは細長く、先端に小さなナットがついていて、指で緩めてから空気を入れます。米式はそのどちらでもなく、太い筒の真ん中にピンがある、という形です。
迷ったときは、キャップを外した状態でスマホで写真を撮り、売り場で見せてもらうのが確実です。ポンプを買う前に自分のバルブの種類を確定させておくと、口金選びで失敗しません。
注意したいのは、同じ車種名でも年式やグレードでバルブが違う場合があることです。「マウンテンバイクだから米式」と決めつけず、前後輪それぞれのバルブを目で確認してください。前後で種類が違う自転車はまれですが、チューブを交換した際に別の種類が入っているケースはあります。
米式バルブ=アメリカ式、シュレーダーバルブとも呼ぶ。自動車と同じ形。仏式バルブ=フレンチバルブ、プレスタとも呼ぶ。細長く先端にナットがある。英式バルブ=ウッズバルブとも呼ぶ。ママチャリに多く、虫ゴムや袋ナットがある。
マウンテンバイクやBMXで採用される理由は「頑丈さ」
米式バルブが採用されているのは、主に一部のマウンテンバイクやBMXです。サイクルベースあさひのチューブの種類と選び方では、米式は「太くて頑丈」で、空気漏れが少なく耐久性が高いと説明されています。
未舗装路を走るマウンテンバイクや、ジャンプや段差の多いBMXでは、バルブに横から力がかかる場面が多くなります。細い仏式よりも折れにくい太さが、この用途に合っているわけです。また空気圧は仏式ほどではないものの微調整ができるので、路面に合わせて空気圧を変えたい乗り方にも向いています。
街乗りのクロスバイクでも、太めのタイヤを履くモデルでは米式が採用されることがあります。仏式のように先端ナットを毎回緩める手間がないので、空気入れに慣れていない方にも扱いやすいバルブです。
一方で弱点もあります。英式用として売られている空気入れでは空気が入らないことです。ママチャリ用の空気入れしか家にない家庭では、米式車を買ったその日に困ることになります。購入時に空気入れも一緒に見直すのがおすすめです。
リムの穴は英式と同じ。ここが後で効いてきます
意外と知られていないのが、ホイールのリム側のバルブ穴の大きさです。同じくサイクルベースあさひの解説では、英式と米式は穴が同じ大きさで、仏式は一回り小さいとされています。
これが何を意味するかというと、英式バルブのチューブが入っている自転車は、同じサイズの米式チューブに交換できる場合があるということです。英式は空気圧が測りにくいため、空気圧をきちんと管理したい方が米式チューブへ替える選択肢があります。逆に仏式のリムに米式チューブを入れるのは、穴が小さいのでそのままでは入りません。
チューブの交換を考えている方は、タイヤ側面のサイズ表記とバルブの種類をメモしてから売り場に行くと話が早いです。交換作業に不安がある場合は、自転車店に任せてください。タイヤのはめ込みでチューブを噛むと、交換直後にパンクすることがあります。
アメリカ式の空気入れはどれでも使える?口金の3タイプを知っておく
英式専用のポンプでは、米式バルブに空気は入りません
結論として、ママチャリ用に売られている英式専用の空気入れ(先端がクリップで挟む形のもの)は、米式バルブには使えません。サイクルベースあさひの解説でも、米式の短所として「英式バルブ用の空気入れでは入れられない」と明記されています。
理由は口金の構造です。英式のクリップは袋ナットの外側を挟んで空気を送る仕組みですが、米式は太い筒にゴムパッキンで密着させ、中心のピンを押し下げて弁を開く必要があります。英式クリップではこのピンを押せないので、ポンプを何回動かしても空気がタイヤに入りません。
家族のママチャリと共用したいなら「英・米・仏対応」と書かれたポンプを選ぶのが近道です。今回紹介するTOPEAK・パナレーサー・GIYOの3台は、いずれも付属の英式用口金やクリップで3種類すべてに対応しています。
気をつけたいのは、パッケージに「英式対応」と大きく書かれた安価なポンプです。英式だけに対応しているものが多いので、「米式」の文字があるかを必ず確認してください。
今の主流は「仏式・米式を差し込むだけで自動判別」する口金
現在のゲージ付きフロアポンプは、1つの口金で仏式と米式の両方に対応するものが主流です。TOPEAKの「スマートヘッド DX4」は切り替えなしで仏式と米式に対応し、パナレーサーBFP-04AGA3は仏式・米式対応のオートヘッド、GIYO GF-55Pはクレバーバルブで米式と仏式を自動判別する、とそれぞれメーカーや販売店が案内しています。
昔のポンプは口金の中のパーツを裏返したり、穴を差し替えたりしてバルブの種類を切り替える必要がありました。切り替えを間違えると空気が漏れるだけで入らず、そこでつまずく方が少なくありませんでした。自動判別タイプならこの手間がなく、差し込んでレバーを起こすだけで済みます。
ロードバイク(仏式)とマウンテンバイク(米式)を両方持っている方、家族で車種が違う方には、この自動判別タイプが一番使いやすい選択です。
ただし、差し込みが浅いと空気が漏れる点は自動判別タイプでも同じです。口金の奥までしっかり押し込んでからレバーを起こす、という基本は変わりません。
パッケージの対応バルブ欄に「米式」の文字があるか/英式クリップやトンボ口金が付属するか(家族のママチャリと共用する場合)/ゲージの単位にpsiやkPaが入っているか。この3点を見れば、買ってから「はまらない」「測れない」となる失敗はほぼ防げます。
失敗パターン①「空気入れを買い替えたのに入らない」の正体
売り場でよく聞くのが、「米式対応のポンプを買ったのに、ママチャリに空気が入らない」という相談です。原因は多くの場合、英式用のクリップやトンボ口金を付けずに、米式・仏式用の口金をそのまま英式バルブに当てていることです。
英式バルブは形が違うので、米式用の口金をそのまま当てても密着しません。付属の英式クリップ(パナレーサー)や英式トンボ口金(TOPEAK)を口金に取り付けてから使う必要があります。逆のパターンとして、英式クリップを付けたまま米式バルブに当てて「入らない」となることもあります。
対策はシンプルで、使う前にバルブの種類と口金の組み合わせを確認することです。付属パーツは小さく失くしやすいので、ポンプ本体の近くに保管しておきましょう。BFP-04AGA3は本体に小物入れを内蔵しているので、付属のクリップをしまっておけます。
もう1つの注意点は、TOPEAK JoeBlow Sport IIIの場合、英式バルブではゲージで空気圧を測れず、エアリリースもできないことです。英式は構造上、ゲージの数字が実際の空気圧とずれやすいので、目盛りは目安として見てください。

ママチャリの空気を入れようとして、バルブの黒いキャップを外し、その下の金属のナットまで回してしまい「プシュー」と空気が全部抜けた——自転車店で毎年のように聞く失…
米式バルブへの空気の入れ方は?4ステップで迷わない

手順は「キャップ→差し込み→ポンピング→戻す」の4つ
米式バルブへの空気の入れ方は、仏式よりもシンプルです。先端ナットを緩める工程がないので、慣れれば1分もかかりません。神戸のカミハギサイクルの解説を参考に、手順をまとめます。
①バルブのキャップを反時計回りに回して外す
②空気入れの口金をバルブに差し込み、ロックレバーを立てる
③タイヤ側面に記載された適正空気圧まで、ゲージを見ながらポンプを押す
④ロックレバーを倒して口金を抜き、キャップを戻す
フロアポンプを使う場合は、足でベース(足置き)をしっかり踏んでから、ハンドルを真上から体重をかけて押し下げると安定します。腕の力だけで押すと、口金が斜めに引っ張られて空気が漏れる原因になります。
キャップは小さなパーツですが、バルブの中にゴミや水が入るのを防ぐ役割があります。付け忘れて失くすことが多いので、外したらポンプのそばなど決まった場所に置く習慣をつけておきましょう。
差し込みは「ネジ山が見えなくなるまで」深く
米式で一番多いつまずきは、口金の差し込みが浅いことです。カミハギサイクルの解説でも、ネジ部分が見えなくなるまで深く差し込むことが重要とされています。浅いまま空気を入れると、プシューと音がするだけでタイヤが硬くなりません。
これは米式バルブの仕組みによるものです。米式は中心のピンが押されることで弁が開きます。口金の差し込みが浅いとピンが十分に押されず、空気の通り道が開かないまま、口金の隙間から空気が逃げてしまいます。
差し込むときは、バルブがリムに対してまっすぐ立っているかも見てください。バルブが斜めに傾いていると口金がまっすぐ入らないので、タイヤを少し回してバルブを真上に持ってくると作業しやすくなります。
注意点として、力任せにねじ込むように押すと、バルブの根元に負担がかかります。米式は頑丈ですが、チューブとバルブの接合部は傷むことがあります。まっすぐ押し込むことを意識してください。
ゲージの単位はpsi・bar・kPa。換算の目安を覚えておく
タイヤ側面の空気圧表記とポンプのゲージの単位が違うと、どこまで入れればいいのか迷います。カミハギサイクルの換算表では「1bar≒100kPa≒14.5psi」「7bar≒700kPa≒約100psi」が目安として示されています。
海外ブランドのポンプはpsi表記が大きく、国内メーカーはkPa表記が中心という傾向があります。TOPEAK JoeBlow Sport IIIのゲージは最大160psiまで測れる3インチの大型ダイヤル、パナレーサーBFP-04AGA3は充填圧上限を1100kPaと表記しています。
マウンテンバイクの太いタイヤは、ロードバイクに比べて適正空気圧の数字が小さめです。タイヤ側面の表記を確認し、その範囲内で入れてください。表記の範囲を超えて入れるのは避けましょう。
空気圧の決め方をもっと詳しく知りたい方は、マウンテンバイク向けの解説もあわせてどうぞ。

フロアポンプ選びで見るべき数字は?ゲージ・上限圧・本体素材
ゲージ付きは必須。米式は「測れる」のが強みだから
米式バルブ用のポンプを選ぶなら、ゲージ(空気圧計)付きが基本です。米式は英式と違って空気圧の微調整ができるバルブなので、ゲージがないとその強みを活かせません。
手で押してタイヤの硬さを確かめる方法もありますが、マウンテンバイクの太いタイヤは空気が少なめでも手で押すと硬く感じやすく、実際の空気圧とのずれが出やすくなります。空気圧が足りないまま段差に乗り上げると、リム打ちパンクの原因にもなります。ゲージで数字を見ながら入れれば、毎回同じ状態に揃えられます。
ゲージの見やすさもポイントです。TOPEAK JoeBlow Sport IIIは3インチの大型ダイヤルゲージで、立ったまま目盛りを読みやすい設計です。
ただし、ゲージ付きでも英式バルブでは正確な値が出にくい点は頭に入れておいてください。ゲージの精度が活きるのは、米式と仏式に使うときです。
上限圧は「自分のタイヤより上」ならOK。家族の車種も考える
ポンプの最大空気圧(充填圧上限)は、自分と家族のタイヤの適正空気圧より上であれば十分です。今回の3台は、TOPEAKとGIYOが最大160psi、パナレーサーBFP-04AGA3が仏式・米式で1100kPaとなっています。
マウンテンバイクだけに使うなら、どれも余裕があります。気にしたいのは、家族がロードバイクなど高めの空気圧を使う車種に乗っている場合です。その場合も今回の3台なら仏式に対応した上限圧があるので、1台で共用できます。
一方でBFP-04AGA3は英式の充填圧上限が500kPaとなっています。ママチャリに使う範囲では問題になりにくいですが、バルブの種類によって上限が変わるポンプがあることは覚えておくとよいでしょう。
スチールかアルミか。重さは「安定感」と「持ち運び」のトレードオフ
本体素材はポンプの重さと安定感に関わります。TOPEAK JoeBlow Sport IIIは本体重量1.68kgで、スチール製シリンダーと強化スチール製ベースの組み合わせ。GIYO GF-55Pもスチール製です。パナレーサーBFP-04AGA3はアルミ製ボディです。
重めのスチール製は、ポンピング中に本体がぐらつきにくいのが利点です。空気圧が上がってきてハンドルが重くなる終盤でも、足元が安定します。アルミ製は持ち上げたときに軽く、玄関から駐輪場まで運ぶことが多い方に向いています。
デメリットとしては、スチール製は玄関先に置きっぱなしにすると湿気で錆びることがあります。屋内で保管できるかどうかも、素材選びの判断材料になります。
| 項目 | TOPEAK JoeBlow Sport III | パナレーサー BFP-04AGA3 | GIYO GF-55P |
|---|---|---|---|
| 最大空気圧 | 160psi | 1100kPa(仏・米)/500kPa(英) | 160psi |
| 口金 | スマートヘッド DX4(仏・米)+英式トンボ口金 | オートヘッド(仏・米)+英式クリップ | クレバーバルブ(仏・米)+英式アダプター |
| 本体素材・サイズ | スチール/1.68kg/高さ678mm | アルミ/小物入れ内蔵 | スチール/全長620mm |
| 価格 | 希望小売価格6,600円 | オープン価格(販売店で4,345円程度・変動あり) | 販売店で3,980円程度(店により差あり) |
米式に使えるフロアポンプ3台、それぞれ誰に向いている?
TOPEAK JoeBlow Sport III:大型ゲージで毎回の空気圧を揃えたい人に
ゲージの見やすさと安定感を重視するなら、TOPEAK JoeBlow Sport IIIが候補になります。トピーク日本公式の希望小売価格は6,600円(税込)で、ワイズロードオンラインでも同額で掲載されています。
公式スペックでは、最大空気圧160psi、重量1.68kg、サイズL117×W253×H678mm、1ストロークあたりの吐出量317.5cc。3インチの大型ダイヤルゲージと、仏式・米式に切り替えなしで対応する「スマートヘッド DX4」を採用しています。付属品は仏式高圧用アダプター、英式トンボ口金、エアークッション/ボール用ニードルです。
マウンテンバイクで乗るたびに空気圧をチェックする方、ロードバイクと米式車を両方持っている方に向いています。重さがあるぶん、ポンピング中に本体がぶれにくいのも長所です。
注意点は、英式バルブではゲージで空気圧を測れずエアリリースもできないこと。ママチャリ主体の家庭なら、このポンプの強みを活かしきれないかもしれません。
| 重量 | 1.68kg(メーカー公表値) |
| サイズ・対応規格 | L117×W253×H678mm/仏式・米式(英式はトンボ口金)/最大160psi |
| 素材・仕様 | スチール製シリンダー/3インチ大型ダイヤルゲージ/1ストローク317.5cc |
| 価格 | 希望小売価格6,600円(税込) |
パナレーサー BFP-04AGA3:軽いアルミで、付属パーツを本体にしまえる
国内タイヤメーカーのポンプを選ぶなら、パナレーサー BFP-04AGA3です。公式ではオープン価格で、サイクルヨシダでは4,345円(税込)で販売されています(時期・店舗により変動)。
アルミ製ボディに、仏式・米式対応のオートヘッドを採用。充填圧上限は仏式・米式で1100kPa、英式で500kPaです。付属品は英式バルブクリップとボール&浮き輪用アダプターで、タイヤレバーポケットと小物入れを本体に内蔵しています。カラーはブラック・ライトグリーン・ホワイト・イエローの4色です。
玄関から駐輪場までポンプを持って移動する方や、英式クリップを失くしがちな方に向いています。ゲージの単位がkPa中心なので、国内メーカーのタイヤ表記と照らし合わせやすいのも利点です。
デメリットは、アルミで軽いぶん、高い空気圧まで入れるときに足でしっかり踏まないと本体が動きやすいこと。高めの空気圧を使う家族がいるなら、ベースを踏む位置を意識してください。
GIYO GF-55P:予算を抑えてゲージ付きを1台そろえたい人に
できるだけ予算を抑えたい場合は、GIYO GF-55Pが選択肢です。楽天のBe.BIKEでは3,980円(税込)で販売されていますが、販売店によって価格に差があるので購入時に比較してください。
販売店の掲載スペックでは、最大空気圧160psi、全長620mm、スチール製。クレバーバルブで米式と仏式を自動判別し、付属のアダプターで英式にも対応します。販売店のワールドサイクルは、自動車の米式バルブへのエアー充填にも使えると案内しています。
初めてのマウンテンバイクでまずゲージ付きを1台持ちたい方や、家族のママチャリにも使いたい方に向いています。旧モデルGF-31の後継として案内されているモデルです。
注意点は、メーカーの国内公式ページが見つからず、スペックは販売店の掲載値である点です。重量の表記も販売店によって揃っていません。気になる方は、店頭で実物を持って確認してから選ぶと安心です。
ゲージの見やすさと安定感ならTOPEAK JoeBlow Sport III、軽さと収納ならパナレーサー BFP-04AGA3、予算重視ならGIYO GF-55P。3台とも米式・仏式は口金に差すだけ、英式は付属パーツで対応します。
ガソリンスタンドや出先で空気は入れられる?
米式ならガソリンスタンドの空気入れと同じ形。ただしひと声かけて
米式バルブの便利な点は、ガソリンスタンドの空気入れとバルブの形が同じことです。サイクルベースあさひの解説でも、自動車と同じタイプなので、空気入れがない場合はガソリンスタンドなどでも空気を入れられると紹介されています。
英式や仏式ではそのまま使えないので、出先でタイヤがへたったときに頼れる場所が多いのは米式ならではの強みです。遠出のサイクリングやマウンテンバイクで山へ向かう途中など、ポンプを持っていない場面の保険になります。
ただし、ガソリンスタンドの空気入れは店舗の設備です。使う前にスタッフに自転車に使ってよいかを確認し、許可を得てから使いましょう。セルフ式でも同じです。
もう1つ大事なのは、ガソリンスタンドの機械は自動車のタイヤ向けに作られている点です。自転車のタイヤは空気の量が少ないので、少しずつ入れて、こまめにゲージを確認してください。
失敗パターン②ゲージの単位を読み違えて入れすぎた
出先で起きやすい失敗が、機械の単位を読み違えて空気を入れすぎることです。タイヤ側面の表記がpsiなのに、機械の表示がkPaやbarだった、というようなケースです。「1bar≒100kPa≒14.5psi」の関係を知らないと、数字だけ合わせて入れすぎてしまいます。
空気の入れすぎはタイヤやチューブに負担をかけ、最悪の場合は破裂につながります。反対に、単位を読み違えて空気が足りないまま走ると、段差でリム打ちパンクを起こしやすくなります。
対策は、自分のタイヤの適正空気圧をpsi・kPa・barのどれでも言えるように、スマホにメモしておくことです。出先で空気を入れるときは、機械の表示単位を先に確認し、少し入れたらタイヤを手で押して硬さの変化も確かめてください。不安な場合は、無理に入れずに近くの自転車店で入れてもらうのが確実です。
店舗スタッフに使用の許可を取ったか/機械の単位(psi・kPa・bar)とタイヤ表記の単位が一致しているか/少しずつ入れてゲージを確認しているか。どれか1つでも不安なら、その場で入れずに自転車店を頼りましょう。
普段使いは「家にフロアポンプ、出先は携帯ポンプ」の分担が現実的
ガソリンスタンドは便利ですが、営業時間外や近くにない場所では使えません。自転車で遠出するなら、米式に対応した携帯ポンプを1本持っておくと安心です。
携帯ポンプは小さく軽いぶん、1回で送れる空気の量が少なく、フロアポンプより回数が必要です。日常の空気圧管理はフロアポンプ、出先のパンク修理後の応急処置は携帯ポンプ、と役割を分けるのが現実的です。
携帯ポンプを選ぶときも、口金が米式に対応しているかを必ず確認してください。仏式専用の携帯ポンプでは米式に空気が入りません。
空気が入らない・すぐ抜けるときはどうする?
空気が入らないときは、まず口金の組み合わせと差し込みを確認
米式バルブに空気が入らないとき、原因の多くはポンプ側にあります。確認する順番は、①口金が米式に対応しているか、②英式クリップやトンボ口金を付けたままになっていないか、③ネジ山が見えなくなるまで深く差し込んでいるか、④ロックレバーを起こしているか、の4つです。
この4つを確認しても入らない場合は、ポンプ本体やホースの劣化を疑います。長く使っているポンプは口金内部のゴムパッキンがすり減り、密着しなくなることがあります。ゴムパッキンは交換用部品が用意されているメーカーもあるので、買い替え前にメーカーの補修部品を確認してみてください。
仏式のタイヤには空気が入るのに米式だけ入らない、という場合は、口金の米式側の判別機構が働いていない可能性があります。取扱説明書を見直すか、購入店に相談してください。
すぐ抜ける場合はパンクかバルブまわりを疑う
空気を入れてもすぐ抜けるなら、パンクかバルブまわりの不具合が考えられます。米式はもともと空気漏れが少ないバルブなので、数日でタイヤが柔らかくなるようなら何か原因があると考えたほうがよいでしょう。
まずはバルブの先端に水や石けん水をつけ、泡が出るかを見ます。泡が出るならバルブの中心部から漏れています。泡が出なければ、タイヤやチューブに穴があいている可能性が高く、パンク修理やチューブ交換が必要です。
バルブ根元の裂けやチューブの劣化は、自分で直すよりチューブ交換のほうが確実なこともあります。作業に自信がない方は、無理をせず自転車店に持ち込んでください。
実は、英式車の空気圧管理を「米式化」で解決する方法もある
意外と知られていないけれど、英式バルブで空気圧が測りにくいことに悩んでいる方は、米式チューブへの交換で解決できる場合があります。先ほど触れたように、英式と米式はリムのバルブ穴が同じ大きさだからです。
米式に替えるとゲージで空気圧を測れるようになり、ガソリンスタンドでも空気を入れられるようになります。今回紹介した3台のようなポンプがあれば、口金の付け替えもいりません。
ただし、同じホイールサイズ・タイヤ幅に合うチューブを選ぶ必要があります。ママチャリは後輪の脱着が複雑な車種もあるので、交換作業は自転車店に任せる選択も考えてください。空気圧の目安の決め方は、こちらの記事でも詳しく紹介しています。

クロスバイクを買って最初にぶつかる壁が、空気圧です。「5気圧くらい」と店で言われたものの、ポンプのゲージには「psi」と「bar」の二重目盛りが刻まれていて、ど…
| 目的・シーン | おすすめの選択 | ポイント |
|---|---|---|
| マウンテンバイクで毎回空気圧を揃えたい | TOPEAK JoeBlow Sport III | 3インチ大型ゲージ・切り替えなし |
| 家族のママチャリと共用・持ち運びが多い | パナレーサー BFP-04AGA3 | アルミ製・英式クリップを本体に収納 |
| 予算を抑えてゲージ付きを1台 | GIYO GF-55P | 米式・仏式を自動判別 |
| 遠出やサイクリング中の応急処置 | 米式対応の携帯ポンプ+ガソリンスタンド | スタンドは許可を取って少しずつ |
まとめ
最初の一歩として、今日のうちに自転車のバルブキャップを外し、形と、タイヤ側面の空気圧表記を写真に撮っておきましょう。その2枚があれば、売り場でもネットでも、自分に合う空気入れを迷わず選べます。
※価格・仕様は記事作成時点のものです。最新情報は各メーカー公式サイトでご確認ください。

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