自転車保険を調べ始めると、月々数百円のものから年間2万円を超えるものまで並んでいて、「結局どれが安いのか」がわからなくなります。しかも住んでいる都道府県の条例で加入が義務になっている人も多く、放置もしにくい。売り場でも「一番安いのはどれですか」と聞かれることが本当に多い質問です。
先に結論をお伝えします。自転車の安い保険を探すなら、順番は「①いま入っている火災保険・自動車保険・共済に賠償の特約が付いていないか確認する → ②なければ月160円や年2,050円程度で足せる個人賠償責任の特約・共済を検討する → ③ケガの補償もほしいなら年1,770円からの自転車専用保険を見る」です。多くの条例が求めているのは「相手への賠償」だけなので、専用保険を新規契約しなくても義務を満たせる経路が複数あります。
この記事では、国土交通省と自治体の公式資料で「何に入れば義務を満たすのか」を確認したうえで、コープ共済・損保ジャパン・全日本交通安全協会・ちゃりぽ・au損保・セブン-イレブン・楽天損保・TSマークの公式ページに載っている保険料と補償額をそのまま横並びにします。安さの裏でどこが削られているかまで含めて見ていきましょう。
・条例が求めている補償の範囲と、それを満たす保険・特約の種類
・月160円・年2,050円程度から足せる個人賠償責任の選択肢
・年1,770円〜3,290円で入れる自転車専用保険の補償の中身
・家族全員をまとめたときの1契約あたりの保険料
・安さだけで選ぶと抜けやすい示談交渉・賠償限度額のチェック
自転車の安い保険を探す前に知りたい「条例が求めている補償」

義務づけられているのは相手への賠償で、自分のケガではない
各都道府県の条例が求めているのは、自転車で他人にケガをさせたときの賠償に備える保険や共済です。国土交通省の資料では「自転車損害賠償責任保険等」と呼ばれ、令和6年4月1日現在で34都府県が義務化、10道県が努力義務化する条例を制定しています。未制定は島根県・長崎県・沖縄県の3県だけで、条例の広がりはほぼ全国に達しました。
ここで押さえたいのは、条例が「自転車保険という名前の商品」を指定していない点です。埼玉県は公式サイトで、該当するものとして「『自転車保険』として販売されているもののほか、自動車保険や火災保険、クレジットカードの個人賠償特約、安全点検を受けた自転車に貼られる『TSマーク』に付帯する保険などが該当します」と説明しています。つまり相手への賠償さえカバーされていれば、商品名は問われません。
自分のケガの補償(入院・通院・死亡)は、条例の要件そのものではなく各商品が上乗せしている部分です。だから「賠償だけでいい」と割り切ると保険料は一気に下がり、「ケガも」と考えると上がります。安い保険を探すというのは、実はこの線引きをどこに置くかを決める作業でもあります。
注意点として、条例の対象は自転車に乗る本人だけでなく、未成年の保護者や、通勤で自転車を使わせている事業者、レンタサイクル事業者にも及ぶ形が一般的です。子どもの分は保護者側の契約でカバーされているかを確認しておかないと、家族の誰かが無保険という状態が残ります。
国土交通省「自転車損害賠償責任保険等への加入促進について」/埼玉県「自転車損害保険等の加入義務化について」
個人賠償責任保険=自転車事故に限らず、日常生活で他人にケガをさせたり他人のモノを壊したりして法律上の賠償責任を負ったときに備える補償。単独の商品としてより、火災保険・自動車保険・共済に「特約」として付ける形で売られていることが多く、条例が求める「自転車損害賠償責任保険等」にも該当します。
加入率64.2%・義務化の認知率36.5%という現実
au損保が2025年度に実施した調査(15歳から69歳の自転車利用者14,098名が回答)では、全国の自転車保険加入率は64.2%でした。2018年度の56.0%から上がり続けて2023年度・2024年度は65.6%でしたが、2025年度は調査開始以来はじめて前年度を下回っています。第2次自転車活用推進計画が掲げた「2025年度までに75%」という目標には届いていません。
地域別では、義務化している地域が66.4%、義務化していない地域が47.6%と差が出ています。条例が加入を後押ししているのは確かです。一方で、義務化地域に住む人のうち義務化を「知っている」と答えた割合は36.5%にとどまり、前年度から2.3ポイント低下しました。制度があることを知らなければ、加入も見直しも起きません。
この数字を選び方に引き寄せると、「安い保険が見つからないから入っていない」より「義務であること自体を知らずに未加入」という人のほうが多い、という読み方ができます。だとすれば、まずやるべきは商品比較ではなく現状確認です。すでに何かに入っている可能性が高いからです。
注意したいのは、この調査が「加入している」「おそらく加入している」の合計である点です。「おそらく」が含まれている以上、実際の加入率はもう少し低い可能性があります。自分の契約を確認しないまま「たぶん入っている」で済ませている層が一定数いる、と考えたほうが安全でしょう。
「安い」を年額だけで比べると失敗しやすい
保険料の比較は年額だけを見ても意味が薄くなります。理由は3つあって、第一に補償対象の人数が違うこと。本人だけの契約と家族全員の契約では、同じ年額でも1人あたりの負担がまるで変わります。第二に賠償限度額が1,000万円から3億円まで幅があること。第三に示談交渉サービスの有無です。
たとえば個人賠償責任だけを月160円で足せる共済と、ケガの補償まで含んで年3,220円の専用保険は、そもそも買っているものが違います。前者は「条例の要件を満たす」ための最短経路、後者は「事故に遭ったときの入院費も見てほしい」人向けです。用途が違うものを金額だけで並べると、必要な補償を落としてしまいます。
使い分けの目安としては、自動車保険や火災保険をすでに契約している人は特約の追加が候補になりやすく、賃貸で火災保険しかない人や車を持たない人は共済や専用保険が候補になります。学生や単身者で「相手への賠償さえあればいい」なら、年2,000円台で足りることも珍しくありません。
注意点は、安い商品ほど「ケガの補償なし」「示談交渉なし」「賠償限度額が低い」のどれかで調整されていることです。何が省かれているかを確認せずに最安値を選ぶと、事故のあとで想定と違う結果になります。以降のセクションでは、公式ページに載っている数字でその差を確認していきます。
実はもう入っているかもしれない?月160円台から足せる賠償の特約
コープ共済の個人賠償責任保険は月160円で最高3億円
いま確認できるなかで、単体の負担がもっとも軽い経路のひとつがコープ共済に追加できる個人賠償責任保険です。公式サイトによると月額保険料160円、保障額は最高3億円で、示談交渉サービスも付いています(示談交渉の引き受けには、日本国外の裁判所に訴訟が提起された場合を除く、などの条件があります)。引受幹事保険会社は共栄火災海上保険で、コープ共済連を団体保険契約者とする団体契約という形です。
月160円で3億円という組み合わせが成立するのは、団体契約でコストを抑えているためです。保険料は2023年9月振替より160円に改定されており、値上げ後の金額であることは押さえておきましょう。
使いどころは、すでにCO・OP共済に加入している家庭です。1世帯で1人が加入すれば、契約者本人・配偶者・同居の親族・別居の未婚の子まで対象になるため、子どもの自転車事故もカバーされます。中学生・高校生の通学分をまとめて手当てしたい家庭には現実的な選択肢です。
注意点は2つ。単体では入れず、CO・OP共済への加入が前提になること。そして補償されるのは相手への賠償だけで、自分のケガは対象外だということです。転倒して自分が骨折したときの入院費までほしいなら、別途ケガの共済や保険が必要になります。
火災保険にセットする個人賠償責任特約は年2,050円程度
持ち家でも賃貸でも、火災保険を契約しているなら個人賠償責任特約を後から付けられることがあります。損保ジャパンは公式FAQで「保険金額が無制限の場合で、年間2,050円程度です」と案内しています。年2,050円程度で賠償額に上限がない補償が付くと考えると、単価としてはかなり軽い部類です。
この特約が条例の要件を満たすことは、埼玉県をはじめとする自治体の公式説明でも明示されています。自転車事故に限らず、買い物中に商品を壊した、飼い犬が他人にケガをさせた、といった日常生活の賠償も対象になるため、自転車を降りたあとも使える点が専用保険との大きな違いです。
注意点は、保険料も補償範囲も保険会社と契約内容によって変わることです。同じ「個人賠償責任特約」でも、限度額が1億円のものと無制限のものがあり、示談交渉サービスの有無も商品ごとに違います。付ける前に、いま契約している会社の証券か契約者ページで限度額と示談交渉の扱いを確認してください。
クレジットカードの付帯特約も「自転車損害賠償責任保険等」に入る
見落とされやすいのがクレジットカードに付帯する個人賠償特約です。埼玉県の公式ページでは、条例上の「自転車損害賠償責任保険等」に該当するものとしてクレジットカードの個人賠償特約を明記しています。カード会社が任意で付けられるオプションとして提供しているケースが多く、月々の負担は数百円規模に収まることがあります。
この経路の利点は、新しく保険会社と契約する手間がないことです。カードの会員ページから申し込めるものが多く、支払いもカード請求にまとまります。ただしカード付帯は「本人のみ」が対象の設計もあり、家族が使う自転車まで守れるとは限りません。カードを解約すると補償も同時に終わるため、切り替えのタイミングで無保険期間が生まれやすい点も弱点です。
使い分けとしては、単身で車も持家もない人の「とりあえずの1本」に向きます。世帯全体を守りたいなら、コープ共済や火災保険の特約のように家族が対象に含まれる設計を選んだほうが確実です。いずれにせよ、条例の要件を満たすかどうかは補償の中身で決まるので、対象範囲と限度額を必ず読んでください。
失敗パターン①:気づかず二重に払い続けていた
売り場で一番よく聞くのが「自転車保険に入ったあとで、自動車保険にも個人賠償責任特約が付いていたと気づいた」というケースです。個人賠償責任の補償は同じ内容が複数の契約に付いていても、支払われる保険金が単純に2倍になるわけではありません。楽天損保も公式サイトで、補償が重複した場合はいずれか一方の契約からは保険金が支払われないことがある、と注意喚起しています。
原因はシンプルで、個人賠償責任が「特約」として他の保険に埋もれているからです。火災保険・自動車保険・共済・クレジットカードのいずれかに付いていることが多いのに、証券を開かないと気づけません。
対策は、契約の棚卸しを先にやることです。手元にある火災保険・自動車保険・共済・クレジットカードの4つについて、契約者ページで「個人賠償」「日常生活賠償」というキーワードを探します。見つかったら限度額と示談交渉の有無、対象になる家族の範囲をメモしておけば、新規契約が必要かどうかはその場で判断できます。
①火災保険 → ②自動車保険 → ③共済 → ④クレジットカードの順に契約者ページを開き、「個人賠償」「日常生活賠償」の記載を探します。見つかったら限度額・示談交渉の有無・対象になる家族の範囲の3点を控えてください。1つでも該当があれば、専用保険を新規契約せずに条例の要件を満たせる可能性があります。
年3,000円を切る自転車専用保険はどこまで補償してくれる?

サイクル安心保険プランAは年間掛金1,770円から
専用保険で目立って軽いのが、一般財団法人 全日本交通安全協会が損保ジャパンを引受保険会社として提供する「サイクル安心保険」です。自転車事故補償コースのプランA(個人向け)は、インターネット申込で年間掛金1,770円。個人賠償責任の限度額は1億円です。郵送申込にすると1,970円になります。
掛金の内訳が公開されているのがこの制度の特徴で、自転車会員の年会費30円、制度運営費370円(郵送申込は570円)、損害保険料1,370円の合計です。つまり保険部分だけなら1,370円で、残りは会員制度の運営コストという構造になっています。
同じコースの上位はプランB(個人向け)が2,770円、プランC(家族向け)が4,660円。賠償限度額を3億円に上げたい場合は交通傷害ワイド補償コースになり、プランD(個人向け)2,000円、プランE(個人向け)3,800円、プランF(家族向け)5,870円という設定です。賠償1億円で足りるならA、3億円がほしいならD、という選び方ができます。
注意点は、加入に全日本交通安全協会の自転車会員になることが必要な点と、掛金が年払いである点です。月払いで少しずつ払いたい人には向きません。また、コースによって自分のケガの補償範囲が変わるので、申込前に補償一覧を確認してください。
ちゃりぽのスタンダードプランは年額2,900円・賠償は1,000万円
インターネット申込限定で年額2,900円(月額260円)から入れるのが、ちゃりぽの「スタンダードあんしんプラン」です。ジャパン少額短期保険の商品で、個人賠償責任保険金額は1,000万円。月額換算で260円という数字だけを見ると魅力的に映ります。
ただし、この賠償額は他社と比べるとかなり控えめです。同じちゃりぽでも「賠償3億プラン」は年額4,590円から、「家族プラン」は年額10,290円からで、こちらは日常生活賠償が3億円かつ示談交渉付きになります。スタンダードプランの安さは、賠償限度額を絞ることで成立していると理解しておくべきです。
注意点は、条例対応を目的にスタンダードプランだけを選ぶ場合です。条例そのものは賠償額の下限を定めていないことが一般的ですが、後述するように自転車事故の高額判決は1,000万円をはるかに超えています。備えとして十分かどうかは、金額を見て自分で判断する必要があります。
au損保Bycleのブロンズコースは月払340円から
月払いで少しずつ払いたいなら、au損保の自転車向け保険Bycleが候補になります。本人タイプ・ブロンズコースが月払340円、一時払(保険期間1年)なら3,810円。個人賠償責任補償はブロンズコースでも2億円で、賠償事故解決特約による示談代行サービスが付きます。すべてのコースにロードサービスがセットされる点も特徴です。
コースは3段階あり、本人タイプのシルバーコースは月払560円・一時払6,180円で通院まで補償、ゴールドコースは月払1,130円・一時払12,240円で弁護士費用を最大300万円まで補償します。賠償限度額はシルバー・ゴールドで3億円に上がります。月額の刻みが細かいので、必要な補償に合わせて調整しやすい構成です。
注意点は、ブロンズコースから個人賠償責任補償を外す契約も選べることです。外すと示談代行サービスも対象外になり、条例が求める賠償のカバーがなくなります。安くしようとして補償の本体を外してしまわないよう、申込画面のコース選択は慎重に進めてください。
単身で通勤・通学に毎日使う人
車を持っておらず賃貸に住んでいる単身者なら、火災保険に個人賠償責任特約を足すのが手数の少ない経路です。損保ジャパンの案内では保険金額が無制限で年2,050円程度。これで条例の要件は満たせます。自分のケガの補償までほしいなら、サイクル安心保険のプランA(年間掛金1,770円)やau損保Bycleの本人タイプ・ブロンズコース(月払340円)が候補です。
毎日車道を走る距離が長い人ほど、示談交渉サービスの有無を優先する価値があります。au損保Bycleは全コースに賠償事故解決特約による示談代行が付き、ロードサービスもセットされます。一方、賠償が勤務先の団体保険や家族の契約でカバーされている人は、専用保険を新規契約せずに済む場合もあります。
注意点は、通勤経路や利用形態によって会社側の規定がある場合です。自転車通勤を許可制にしている職場では、保険加入の証明を求められることがあります。加入したら証券や加入証明のPDFを保存しておくと、提出を求められたときに困りません。
3,000円台で示談交渉まで付く保険を横並びで見る
セブン-イレブンのお1人様プランは年3,220円
コンビニのマルチコピー機で手続きできるのが、三井住友海上が引き受ける「セブン-イレブンで入る自転車向け保険」です。お1人様プラン(本人型/本人以外型)は3,220円/年、月換算で約268円。日常生活賠償保険金は最高3億円で、日本国内の賠償事故については三井住友海上が示談交渉を代行します。
ケガの補償も厚めで、傷害死亡保険金1,000万円、傷害後遺障害保険金は最高1,000万円、傷害入院保険金は8,000円/日。手術を受けた場合は入院中で8万円、入院中以外で4万円が支払われます。年3,220円でこの構成なら、賠償とケガの両方を1本にまとめたい人には収まりがよい設計です。
申込は、ネットで事前申込みをしてから店頭のマルチコピー機で手続きし、印刷された払込票をレジに持っていく流れです。支払いは現金またはnanacoで、クレジットカードは使えません。ネット申込に抵抗がある人でも、店頭で完結できるのは実務的なメリットです。
注意点は補償の穴です。公式サイトに明記されているとおり、通院への補償はなく、自転車の盗難も補償対象外。さらに自動車での事故による賠償責任は補償されません。通院の補償を重視する人や、盗難まで1本でまとめたい人は別の商品を見たほうが早いでしょう。
楽天損保サイクルアシストは年3,290円から
楽天損保のサイクルアシスト(傷害総合保険)は、公式サイトによると保険料は年間3,290円から、月額換算でひと月あたり約274円からです。賠償責任は1億円、日本国内のみですが示談交渉サービスが付き、賠償の自己負担額は設定されていません。入院保険金日額2,500円、手術保険金は入院中25,000円・それ以外12,500円、死亡・後遺障害は250万円という構成です。
保険料には幅があり、公式表記では2026年11月1日以降を保険始期とする場合が3,290円~16,380円、2026年10月31日以前を保険始期とする場合が3,000円~20,320円とされています。プランや補償額の選び方で上下するので、最低額だけを見て判断しないほうがよい商品です。
プランは個人プラン・カップルプラン・ファミリープランがあり、カップル・ファミリーでは配偶者やその他親族の保険金額が本人と同額になります。保険料の支払いで保険料1%分の楽天ポイントが貯まり、貯まったポイントは保険料の支払いにも充当できるため、楽天のサービスを日常的に使う人には実質負担が下がる余地があります。
注意点は、賠償限度額が1億円であることです。3億円の商品と並べると見劣りする場面はありますし、後述する高額判決の水準を踏まえてどこまで必要かは自分で決める必要があります。保険料の改定時期も公式に告知されているので、申込前に最新の金額を確認してください。
本人1人あたりの年額で並べるとこうなる
ここまでの本人向けプランを、各社の公式ページに掲載されている数値で横並びにしました。金額は年額に揃え、月払のみの商品は一時払の金額を併記しています。安さの順位と、その安さが何を削って成立しているかを合わせて見てください。
| 商品・プラン | 年額 | 賠償限度額 | 自分のケガ |
|---|---|---|---|
| コープ共済 個人賠償責任保険 | 月額160円 | 最高3億円 | 対象外 |
| 損保ジャパン 個人賠償責任特約 | 年2,050円程度 | 無制限 | 対象外 |
| サイクル安心保険 プランA | 1,770円 | 1億円 | あり(コース別) |
| ちゃりぽ スタンダードプラン | 2,900円 | 1,000万円 | あり |
| au損保 Bycle 本人ブロンズ | 月払340円/一時払3,810円 | 2億円 | あり |
| セブン-イレブン お1人様プラン | 3,220円 | 最高3億円 | あり(通院は対象外) |
| 楽天損保 サイクルアシスト | 3,290円から | 1億円 | あり |
並べてみると、賠償だけでよければ共済や特約が明確に軽く、ケガの補償まで含めると専用保険が年1,770円から3,290円のレンジに集まることが分かります。「安い保険」の答えは1つではなく、賠償だけか賠償+ケガかで別々に存在する、というのがこの表の読み方です。
家族全員を1契約にすると1人あたりの負担はどう変わる?
au損保の家族タイプは一時払7,080円で人数制限なし
家族が複数人自転車に乗るなら、家族タイプの契約を1本にまとめるほうが手続きも支払いも簡単です。au損保Bycleの家族タイプ・ブロンズコースは月払650円、一時払(保険期間1年)で7,080円。公式サイトでは家族タイプなら家族何人でもまるごと補償と案内されています。人数が増えても保険料が変わらない設計は、子どもが2人以上いる家庭に効きます。
上位コースは家族タイプのシルバーコースが月払1,150円・一時払12,740円、ゴールドコースが月払1,890円・一時払20,580円。2年契約なら家族タイプ・ブロンズコースの一時払は13,450円です。まとめ払いができる家庭なら選択肢に入ります。
注意点は、家族タイプでも「対象になる家族の範囲」が約款で決まっていることです。同居・別居や未婚・既婚で扱いが変わるため、大学進学で家を離れる子どもが対象に含まれるかは申込前に確認してください。ここを取り違えると、いちばん守りたい人が対象外という事態になります。

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セブン-イレブンのご家族プランは年5,890円
セブン-イレブンで入る自転車向け保険のご家族プランは5,890円/年、月換算で約491円です。1契約で家族全員をまとめて補償する形で、日常生活賠償保険金は最高3億円、傷害入院保険金8,000円/日といった補償はお1人様プランと同じ水準が確保されています。ご夫婦プランは3,980円/年(月換算で約332円)です。
賠償の被保険者の範囲は全プラン共通で、本人、配偶者、同居の親族および別居の未婚の子となっています。さらに被保険者本人が満22才以下で本人型・本人以外型の場合は、親権者などが自動的に対象に加わる特約がセットされ、学生本人名義で契約するケースにも対応します。
この商品が向いているのは、ネット契約に不慣れな家族の分をまとめて手続きしたい場合です。事前申込みをネットで済ませておけば店頭作業は短くなりますし、従来どおりマルチコピー機だけでも申し込めます。支払いが現金またはnanacoである点は、逆に言えばカードを使わせたくない場面では扱いやすい仕様です。
注意点は、家族の人数が少ないときにお1人様プランを人数分契約したほうが合うのか、家族プラン1本にするのかの判断です。補償内容が同じでも被保険者の範囲は違うので、金額だけでなく「誰が守られるか」で選んでください。
サイクル安心保険とちゃりぽの家族向けはどう違うか
家族向けをさらに安く抑えたいなら、サイクル安心保険のプランC(家族向け)が年間掛金4,660円(インターネット申込)で、賠償限度額は1億円です。賠償を3億円に引き上げたい場合は交通傷害ワイド補償コースのプランF(家族向け)で5,870円になります。年会費30円と制度運営費370円を含んだ総額なので、追加費用を見落とす心配が少ない点は分かりやすいところです。
一方、ちゃりぽの家族プランは年額10,290円からで、あいおいニッセイ同和損害保険の商品として日常生活賠償3億円と示談交渉が付きます。金額だけを見ると高く見えますが、ケガの補償内容が手厚くなっている分の差です。何を買っているかを確認せずに順位だけで比べると判断を誤ります。
注意点として、家族向けプランには加入者本人の年齢制限や同居要件が設定されている場合があります。金額比較の前に、家族全員が本当に対象になるかを読み合わせてください。
子どもが自転車通学をする家庭
中学生・高校生の通学がある家庭では、家族全員が対象になる契約を1本持つのが現実的です。コープ共済の個人賠償責任保険は月160円で最高3億円、しかも1世帯で1人が加入すれば契約者本人・配偶者・同居の親族・別居の未婚の子まで対象になります。CO・OP共済をすでに使っている家庭なら、追加の手続きは軽く済みます。
ケガの補償も家族分そろえたいなら、セブン-イレブンのご家族プラン(5,890円/年)、サイクル安心保険のプランC(4,660円)やプランF(5,870円)、au損保Bycleの家族タイプ・ブロンズコース(一時払7,080円)が比較対象になります。学校経由で加入する共済に個人賠償が含まれていることもあるため、年度初めに配られる書類で重複の有無を確認してください。
注意点として、子どもが起こした事故は保護者の監督責任が問われる形になり得ます。だからこそ、対象範囲に「未成年の子」がきちんと含まれているかを条文で確認する必要があります。金額よりもこの一点を先に確かめてください。

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点検整備で入るTSマークは「安い保険」になるのか
緑・赤・青で賠償限度額が10倍以上違う
TSマークは、自転車安全整備店で点検整備(有料)を受けた普通自転車に貼られるシールで、公益財団法人日本交通管理技術協会が運営しています。ここには賠償責任保険と傷害保険が付帯していて、埼玉県などの自治体も条例上の「自転車損害賠償責任保険等」に該当すると案内しています。点検代だけで保険が付いてくる、という構造が「安い」と言われる理由です。
ただし色によって中身がまったく違います。賠償責任補償は緑色TSマークと赤色TSマークが限度額1億円、青色TSマークは限度額1,000万円。傷害補償は緑色が死亡もしくは重度後遺障害(1〜4級)で一律50万円・入院(15日以上)で一律5万円、赤色が一律100万円・一律10万円、青色が一律30万円・一律1万円です。赤色TSマークには被害者見舞金として一律10万円の制度もあります。
2022年7月に赤色・青色TSマークのデザインが変更され、その後に登場した緑色TSマークは、賠償責任補償の対象を全ての人身事故に広げ、示談交渉サービスも付いています。赤色・青色は死亡または重度後遺障害1級から7級が対象で、示談交渉サービスは付きません。同じTSマークでも、どの色を貼ってもらえるかで守られ方が変わります。
注意点は、1店舗で取り扱うTSマークが緑色・赤色・青色のいずれか1種類であることです。行った店で選べるわけではないので、色を重視するなら事前に電話などで確認する必要があります。また物損事故は緑色でも補償の対象になりません。
| 項目 | 緑色 | 赤色 | 青色 |
|---|---|---|---|
| 賠償責任補償 | 限度額1億円/全ての人身事故 | 限度額1億円/死亡・重度後遺障害 | 限度額1,000万円/死亡・重度後遺障害 |
| 傷害補償(死亡・重度後遺障害) | 一律50万円 | 一律100万円 | 一律30万円 |
| 傷害補償(入院15日以上) | 一律5万円 | 一律10万円 | 一律1万円 |
| 示談交渉サービス | あり | なし | なし |
| 被害者見舞金 | 賠償責任補償で対応 | 一律10万円 | なし |
「人」ではなく「自転車」に付く保険という性格
TSマーク付帯保険の最大の特徴は、補償が自転車に紐づいていることです。公式の説明では、点検基準日と自転車安全整備士番号が記載された保険有効期間中のTSマーク貼付自転車に搭乗中の人が対象とされ、所有者以外が乗っていても補償されます。家族や友人がその1台を借りて乗るケースにも対応できるということです。
裏を返すと、その自転車から降りた瞬間に補償は途切れます。自分が別の自転車に乗り換えたとき、レンタサイクルを使ったとき、シェアサイクルに乗ったときは対象外です。人に付く個人賠償責任保険とは逆の性質で、ここを取り違えると「入っているつもり」の穴が生まれます。
もうひとつの注意点が有効期間です。TSマークに記載されている点検基準日から1年間で切れるため、年1回の点検整備を続けないと無保険になります。点検整備の料金は自転車店ごとに異なり、部品交換が必要な場合は別料金です。金額は行きつけの店で確認してください。
失敗パターン②:TSマークだけで義務を満たしたつもりだった
実際にあるのが、「去年、店で点検してもらってシールを貼ってもらったから保険は大丈夫」と思い込んでいるケースです。点検基準日から1年で切れることを知らないまま2年目に入り、その状態で事故を起こしてしまう。しかも青色TSマークだった場合、賠償の限度額は1,000万円で、対象も死亡または重度後遺障害に限られます。
原因は、TSマークが「点検のシール」に見えることです。保険証券が手元に届くわけではないので、更新期限を意識しにくい。さらに家族の別の自転車には貼られていないので、世帯としてはカバーできていない部分が残ります。
対策は2つです。まず、TSマークに書かれている点検基準日をスマートフォンのカレンダーに1年後の予定として登録してしまうこと。次に、TSマークは「その1台に乗っているときの上乗せ」と位置づけ、人に付く個人賠償責任の補償を別に1本持っておくことです。月160円や年2,050円程度の特約なら、二重に感じても負担は限定的です。
週末だけ乗る人・久しぶりに乗り始めた人
乗る頻度が低いと保険料を惜しみたくなりますが、事故の確率は走行距離だけで決まりません。むしろ久しぶりに乗る人ほど、車道の走り方や交差点での判断に慣れていないぶん、リスクは残ります。年1,770円のサイクル安心保険プランAや、月160円のコープ共済の個人賠償責任保険なら、乗る回数が少なくても負担は限定的です。
家に自転車が1台しかなく、それを家族が共用しているなら、点検整備のついでにTSマークを貼ってもらう方法もあります。自転車に付く保険なので、乗る人が入れ替わっても対象になります。週末のロングライドを始めるなら、落車で自分がケガをする場面も想定に入るため、楽天損保サイクルアシスト(入院保険金日額2,500円から)のようにケガの補償が付いた専用保険に切り替える判断もあります。
注意点は、久しぶりに乗る自転車ほど整備状態が落ちていることです。ブレーキの効きやタイヤの空気圧は、保険の前に確認すべき項目です。ブレーキまわりに不安があれば、自分で調整せず自転車店に見てもらってください。
安さだけで選んで後悔しやすい3つの落とし穴
示談交渉サービスが付いているかどうか
保険料の差を生んでいる要素のなかで、事故後の負担がもっとも大きく変わるのが示談交渉サービスです。これは賠償事故のときに、保険会社が本人に代わって相手方や相手の保険会社と交渉してくれる仕組みで、セブン-イレブンの商品では三井住友海上が、楽天損保のサイクルアシストでは楽天損保が、日本国内の事故について代行します。au損保Bycleでは賠償事故解決特約という名前で付きます。
付いていない場合、示談交渉は自分で進めることになります。相手のケガの程度や過失の割合をめぐるやり取りを、当事者同士で続けるのは負担が重い作業です。TSマークでも、赤色・青色には示談交渉サービスが付いておらず、緑色にだけ付いています。同じ制度のなかでも差があるということです。
注意点は、示談交渉にも引き受けの条件があることです。au損保は、日本国外で発生した賠償事故や、1回の事故で被保険者が負担する賠償責任の額が個人賠償責任保険金額を明らかに超える場合などは示談交渉を行えないと公式に説明しています。「付いているから全部おまかせ」ではない点は理解しておきましょう。
賠償限度額1,000万円で足りるのかを自分で判断する
自転車事故の賠償は、想像より桁が大きくなることがあります。セブン-イレブンの公式サイトが日本損害保険協会の資料を出典として紹介している事例では、男子高校生が歩道から車道を斜めに横断し対向の自転車と衝突した事故で9,266万円の賠償を命じられた判決(東京地方裁判所、平成20年6月5日判決)があります。楽天損保の公式サイトでも賠償額9,521万円の事例が紹介されています。
この水準に対して、ちゃりぽのスタンダードプランは個人賠償責任1,000万円、青色TSマークも限度額1,000万円です。安さの理由がここにあることは、数字を並べれば明らかです。一方でコープ共済の個人賠償責任保険は最高3億円、損保ジャパンの個人賠償責任特約は無制限(保険金額が無制限の場合で年2,050円程度)と案内されています。
注意点は、限度額の比較は同じ土俵で行う必要があることです。「自転車事故のみ対象」なのか「日常生活の賠償全般」なのか、商品によって守備範囲が違います。公式ページの補償一覧で対象になる事故の種類を確認してから、金額を比べてください。
自分のケガは対象外という商品もある
個人賠償責任の特約や共済は保険料が軽い代わりに、補償されるのは相手への賠償だけです。コープ共済の個人賠償責任保険も、損保ジャパンの個人賠償責任特約も、自分が転んで骨折したときの入院費は対象になりません。ここを知らずに「安いほうにした」と決めると、いざというときに使えません。
自分のケガまで含めたいなら、専用保険を見ることになります。セブン-イレブンの商品なら傷害入院保険金8,000円/日、楽天損保サイクルアシストなら入院保険金日額2,500円、ちゃりぽなら通院保険金日額1,000円が付く「もっとあんしんプラン」があります。ただし、セブン-イレブンの商品は通院への補償がなく自転車の盗難も対象外というように、どの商品にも守備範囲の線引きがあります。
使い分けの考え方はシンプルで、すでに医療保険や共済でケガの入院をカバーしているなら賠償だけを安く足す、医療保障が薄いなら賠償とケガをまとめた専用保険を選ぶ、という順序です。世帯全体の保障を見渡してから決めると、無駄も穴も減ります。
なお、事故が起きたあとの過失割合や慰謝料の判断は個別の事情によるもので、この記事で扱える範囲を超えます。実際に事故の当事者になった場合は、契約している保険会社の事故受付窓口に連絡して指示を仰いでください。
①いま契約中の火災保険・自動車保険・共済・クレジットカードに個人賠償の特約が付いていないか/②賠償限度額はいくらか/③示談交渉サービスは付くか/④対象になる家族の範囲(同居・別居・未婚の子)/⑤自分のケガの補償は必要か。この5点を先に決めてから金額を比べると、選び直しが起きにくくなります。
実は「最安の1本」を探すより効くこと
意外と知られていないのですが、保険料の差より事故そのものを減らすほうが、家計にも生活にも効きます。政府広報オンラインによると、令和8年(2026年)4月1日から自転車にも交通反則通告制度、いわゆる青切符が適用され、16歳以上の違反者が対象になります。信号無視や一時不停止など、警察官が実際に見て明らかに違反と判断できる行為が対象です。
同じ資料では、自転車乗車中の死亡・重傷事故のうち約4分の3は自転車側にも法令違反があると説明されています。裏を返せば、ルールを守る運転は加害者になる確率そのものを下げます。保険は起きたあとの備えであって、起きにくくする手段ではありません。なお反則金は行政上の処理であり、被害者への賠償とは別の話です。ルールを守ることと賠償に備えることは、どちらか一方では成立しません。
政府広報オンライン「2026年4月から自転車の交通違反に『青切符』を導入!何が変わる?」

「駅まで歩いて、満員電車に揺られて、また歩く」。この毎日を自転車に置き換えられないかと考えたとき、最初に立ちはだかるのが「うちの距離で本当に通えるのか」という疑…
| タイプ | 検討しやすい選択 | 金額の目安 |
|---|---|---|
| 賠償だけ確保したい単身者 | 火災保険の個人賠償責任特約 | 年2,050円程度 |
| ケガの補償も欲しい単身者 | サイクル安心保険 プランA/au損保Bycle 本人ブロンズ | 1,770円/月払340円 |
| 子どもの通学がある家庭 | コープ共済 個人賠償責任保険/セブン-イレブン ご家族プラン | 月額160円/5,890円 |
| 家族が1台を共用 | TSマーク+人に付く賠償を1本 | 点検整備料金は店舗ごとに異なる |
| 週末のロングライド | 楽天損保 サイクルアシスト/au損保Bycle シルバー | 3,290円から/月払560円 |
まとめ:自転車の安い保険は「今の契約を確認する」から始まる
ここまで見てきたとおり、自転車の安い保険は1つの正解に収束しません。条例が求めているのは相手への賠償であって、商品名ではありません。だから「自転車保険」と名の付いた商品を新しく契約しなくても、いま持っている契約に賠償の特約が付いていれば要件は満たせます。逆に、専用保険を契約しても賠償限度額が低ければ、備えとして十分とは言い切れません。
賠償だけでよければコープ共済の月額160円や損保ジャパンの個人賠償責任特約(年2,050円程度)が軽く、ケガの補償まで含めるならサイクル安心保険のプランA(1,770円)からセブン-イレブンのお1人様プラン(3,220円)、楽天損保サイクルアシスト(3,290円から)あたりが実用的な帯です。家族全員なら、サイクル安心保険のプランC(4,660円)やセブン-イレブンのご家族プラン(5,890円)、au損保Bycleの家族タイプ(一時払7,080円)が比較対象になります。TSマークは点検整備とセットで賠償が付く仕組みですが、有効期間が点検基準日から1年である点と、補償が自転車に紐づく点を踏まえて使ってください。
最初の一歩は、契約中の火災保険と自動車保険の証券を開いて「個人賠償」の文字を探すことです。5分で終わり、そこで見つかれば新しい契約は要りません。見つからなければ、賠償だけでよいのか、自分のケガまで必要なのかを決めてから商品を並べる。この順番で進めれば、迷う時間は短く済みます。
※保険料・補償内容・義務化の状況は改定されます。申込前に各社の公式サイトとお住まいの自治体の最新の案内をご確認ください。

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