パナソニックこがない自転車はMUのこと?16歳から乗れる24.0kgの正体と3つの手続き

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「パナソニックから、こがなくても走る自転車が出たらしい」と聞いて気になっている方は多いと思います。坂道の多い街に住んでいる、膝や体力に不安がある、電動アシスト自転車でもペダルが重く感じる。そんな方にとって、手元のスロットルを回すだけで進む乗り物は魅力的に映りますよね。

先に結論をお伝えすると、パナソニックの「こがない自転車」の正体は、2025年12月上旬に発売されたMU(エムユー/品番BE-TMU011)です。見た目は20インチの小径自転車そっくりですが、法律上は「特定小型原動機付自転車(特定小型原付)」という別の乗り物です。免許はいりませんが、16歳以上であること、ナンバープレートと自賠責保険が必要になり、自転車とは手続きもルールも変わります。

この記事では、自転車店の売り場でよく受ける質問をもとに、MUのスペックを公式の数字で読み解き、電動アシスト自転車ViVi・DXとの違い、買ったあとに必要な手続きと費用、公道でのルール、似た乗り物との見分け方までまとめました。買ってから「こんなはずじゃなかった」とならないための判断材料として使ってください。

🚲 この記事でわかること

・パナソニックの「こがない自転車」MUが法律上どんな乗り物なのか
・電動アシスト自転車ViVi・DXと比べた価格・重さ・走れる場所の違い
・購入後に必要なナンバー・自賠責保険・軽自動車税の中身
・違法なペダル付き電動バイクと見分けるポイント

目次

パナソニックのこがない自転車「MU」は、なぜ自転車ではないのか

パナソニックのこがない自転車「MU」は、なぜ自転車ではないのかの解説画像

正体は2025年12月発売の特定小型原付「MU」

パナソニックの「こがない自転車」と呼ばれているのは、パナソニック サイクルテックが2025年12月上旬に発売したMU(BE-TMU011)です。メーカー希望小売価格は234,000円(税込・専用充電器含む)で、公式サイトでも「電動アシスト自転車」ではなく特定小型原動機付自転車として案内されています。

見た目は20×2.125 HEの太めのタイヤを履いた小径車で、サドルもハンドルも自転車と同じ形です。売り場でも「新しい電動自転車ですか?」と聞かれることが多いのですが、ペダルが付いておらず、足は足置きに乗せたまま、右手のスロットル操作で進みます。

電動アシスト自転車からの乗り換えを考える方は、坂道や向かい風でこぐ負担をなくしたい方がほとんどです。この点でMUは要望に合っていますが、「自転車の延長」と思って買うと手続きの多さに驚きます。自転車のように防犯登録だけで乗り出せるわけではない、という点を最初に押さえておいてください。

ペダルがないから「こがない」、スロットルで進む仕組み

MUが自転車ではない決定的な理由は、人の力を使わずにモーターだけで進むことです。モーターは直流ブラシレスモーター 250W、バッテリーは25.2V-16Ahで、ワット時定格量は404Whあります。スロットルを回すと、この電力だけで車体が進みます。

対して電動アシスト自転車は、あくまで「人がこぐ力を補う」乗り物です。兵庫県警察の解説によると、アシスト自転車は人の力を補うための電動機を使い、24km/h以上では補助が加わらない構造でなければなりません。こがなければ1mも進まないのがアシスト自転車、こがなくても進むのがMU、と覚えると区別しやすいです。

この違いは、坂道で最もはっきり出ます。公式ではMUは12度の傾斜も上るとしており、脚力にかかわらず同じペースで上れます。一方、アシスト自転車は踏み込む力が弱いと補助も小さくなります。

ただし、こがない分だけ運動にはなりません。「通勤ついでに体を動かしたい」という目的なら、アシスト自転車のほうが合っています。

特定小型原付の条件は「190cm・60cm・20km/h」

特定小型原付は、2023年(令和5年)7月1日に交通ルールが施行された比較的新しい区分です。警察庁の解説ページでは、車体の長さ190cm以下・幅60cm以下、定格出力0.60kW以下の電動機、20km/hを超える速度を出せないこと、などが条件として示されています。

MUは全長1,610mm、全幅585mmで、この枠に収まるよう設計されています。電動キックボードと同じ区分ですが、MUはサドルに座って乗る自転車型という点が違います。キックボードの立ち乗りに不安がある方や、荷物を載せたい方には座り乗りのほうが扱いやすいでしょう。

注意したいのは、この区分に入るのは条件をすべて満たした車体だけという点です。同じように見える電動の乗り物でも、速度や出力が枠を超えれば一般原付などの扱いになり、免許が必要になります。「自転車っぽいから免許はいらないだろう」という判断は危険です。

📖 用語チェック

特定小型原動機付自転車(特定小型原付)=車体の長さ190cm以下・幅60cm以下、定格出力0.60kW以下、20km/hを超える速度が出ない電動の乗り物。免許は不要ですが16歳未満は運転できず、ナンバープレートと自賠責保険が必要です。
電動アシスト自転車=人のこぐ力をモーターが補う自転車。24km/h以上では補助が加わらず、法律上は自転車として扱われます。

MUのスペックを数字で読むと、日常でどう使えるかが見えてくる

20km/hと6km/hの2モードを切り替えて走る

MUには最高速度が約20km/hの「車道モード」と、約6km/hの「歩道モード」があります。車道では自転車と同じくらいの流れで走り、条件を満たした歩道では歩く速さに近いペースまで落として走る、という使い分けです。

数字だけ見ると20km/hは物足りなく感じるかもしれません。ただ、街中の信号や交差点の多い道では、平均速度はそれほど変わりません。むしろ、こがずに一定の速さで走れるので、到着時に汗をかきにくいのは大きな利点です。

歩道モードは、歩行者の多い場所で「ゆっくり走れる」ことが目的の機能です。どの歩道でも走れるわけではなく、自転車の通行が認められた歩道などに限られます。詳しい条件は後ほど交通ルールの章で解説します。

注意点として、20km/hを超えて走ることはできません。車の流れが速い幹線道路では、後ろから追い越されることが多くなります。通勤ルートを選ぶときは、交通量の少ない道を選ぶのがおすすめです。

走行距離47kmと40km、2つの数字の違い

MUの一充電走行距離は、特定小型原付の業界統一テスト条件で約47km、電動アシスト自転車の業界統一テスト条件で約40kmと、2つの値が公表されています。テストの条件が違うだけで、どちらかが誤りというわけではありません。

実際の距離は、坂の多さ・乗る人と荷物の重さ・気温・停止と発進の回数で変わります。特にスロットルだけで走るMUは、人の力の補助がないぶん、上り坂が続くとバッテリーの減りが早くなります。

充電時間は約5.0時間で、バッテリーは取り外して室内で充電できます。夜に充電しておけば、翌朝には満充電で出かけられる計算です。マンションで駐輪場にコンセントがない方でも運用しやすい点は、評価できるポイントです。

気をつけたいのは、カタログの距離をそのまま「片道の上限」と考えないことです。往復で使うなら、公表値の半分よりも余裕を持った距離にとどめておくと、途中で電池切れになる心配が減ります。

重量24.0kgと20インチ、取り回しの実際

MUの重量はバッテリー込みで24.0kgです。モーターとバッテリーを積んでいるので、同じ20インチの折りたたみ自転車よりはかなり重く、電動アシスト自転車に近い重さと考えてください。

全長は1,610mm、全高は1,120mmで、一般的な26インチのシティサイクルより短めです。駐輪場の区画に収まりやすく、玄関先に置く場合も場所を取りにくいサイズです。付属品には、スタンド型充電器、後輪のサークル錠、足置き、スタンドが含まれます。

一方、重さがある分、階段の上り下りや段差を持ち上げる場面は大変です。2階以上の自宅に運び込む使い方は現実的ではありません。駐輪場が地上にあるか、エレベーターに入るかを買う前に確認しておきましょう。

乗れる人の条件は「16歳以上・身長141cm以上・75.0kgまで」

公式サイトでは、MUの適応身長を141cm以上としています。また、最大積載量は乗る人と荷物を合わせて75.0kgです。体格が大きい方や、荷物を多く載せたい方は、この上限を最初に確認してください。

年齢は法律で16歳以上と決まっており、免許は不要です。高校生から使える一方、中学生は身長が足りていても運転できません。定員は1人で、二人乗りはできません。

この「75.0kg」は見落とされがちな数字です。体重に通勤カバンや買い物袋を加えると、すぐに上限に近づきます。上限を超えて乗ると、ブレーキの効きや部品の耐久性に影響する可能性があります。

📋 MU(BE-TMU011)スペックカード
重量・サイズ 24.0kg(バッテリー含む)/全長1,610mm・全幅585mm・全高1,120mm
速度・走行距離 車道モード約20km/h・歩道モード約6km/h/約47km(特定小型原付の条件)・約40km(電動アシスト自転車の条件)
動力・タイヤ 直流ブラシレスモーター 250W/25.2V-16Ah(404Wh)・充電約5.0時間/20×2.125 HE
価格 メーカー希望小売価格234,000円(税込・専用充電器含む)

電動アシスト自転車ViVi・DXと比べて、何が変わる?

電動アシスト自転車ViVi・DXと比べて、何が変わる?の解説画像

価格・重さ・走行距離を並べると違いがはっきりする

同じパナソニックの定番アシスト自転車ViVi・DXと並べると、MUの立ち位置がよくわかります。ViVi・DXはメーカー希望小売価格143,000円で、重量は24型が26.8kg、26型が27.7kgです。MUは234,000円で24.0kgなので、MUのほうが価格は高く、重さは軽めです。

バッテリーはどちらも25.2V-16Ahで、充電時間も同じ約5.0時間です。ただし走行距離は大きく異なります。ViVi・DXはロングモードで約107km、オートマチックモードで約70km走れますが、MUは約47kmです。人の力がゼロの状態で走るMUは、同じ容量でも電気をたくさん使うためです。

「充電の回数を少なくしたい」「週末に遠出もしたい」という方はアシスト自転車、「距離は短くても、こがずに楽に移動したい」という方はMU、と用途で分けるのが現実的です。

📊 スペック比較(自転車の教科書調べ・メーカー公式値)
項目 パナソニック MU パナソニック ViVi・DX glafit NFR-01 Pro
区分 特定小型原付 電動アシスト自転車 特定小型原付
重量 24.0kg 26.8kg(24型)/27.7kg(26型) 24kg
走行距離 約47km/約40km 約107km(ロング)〜約59km(パワー) 46km/44km(JEMPA基準)
タイヤ 20×2.125 HE 24×1 3/8 WO/26×1 3/8 WO 14×2.125
価格(税込) 234,000円 143,000円 249,700円

走れる場所と乗れる年齢がまるで違う

価格や重さ以上に大きな違いは、ルールです。ViVi・DXは法律上は自転車なので、年齢制限はなく、ナンバーも自賠責も不要です。子どもから高齢の方まで、防犯登録をすれば乗り出せます。

MUは16歳未満の運転が禁止され、ナンバープレートと自賠責保険が必須です。走る場所も車道が原則で、歩道は条件を満たした場合に6km/hで走れるだけです。家族みんなで1台を共有する使い方は、子どもが16歳未満だとできません。

よくある失敗パターン①:「中学生の子の通学用に、坂が楽なMUを」と考えて相談に来られるケースがあります。原因は見た目が自転車そのものなので、自転車と同じ感覚で考えてしまうことです。16歳未満への提供は罰則の対象(6月以下の拘禁刑または10万円以下の罰金)です。対策として、中学生の通学ならTSマーク付きの電動アシスト自転車を選んでください。

「こぐ楽しさ」と「こがない楽さ」、どちらを取るか

アシスト自転車の良さは、自分の力と電気の力を合わせて進む感覚と、長い距離を走れることです。多少の運動になり、子ども乗せモデルなど車種の選択肢も豊富です。

MUの良さは、体調や脚力に関係なく同じペースで移動できることです。膝に負担をかけたくない方、スーツで汗をかきたくない方、坂の上に家がある方には向いています。

ただ、MUは24.0kgの車体を、こがずに押して歩く場面も出てきます。電池が切れるとペダルがないので自力で走ることはできず、押して帰るしかありません。アシスト自転車ならバッテリーが切れても重いだけでこいで帰れます。この違いは、長距離を走る方ほど大きく響きます。

電動アシスト自転車のデザインや選び方をもっと比べたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

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買ったあとに必要なナンバー・自賠責・税金はいくら?

ナンバープレートは市区町村の窓口で無料交付

MUを公道で走らせるには、住んでいる市区町村でナンバープレートを受け取り、車体に取り付ける必要があります。大阪市の案内では、特定小型原付のナンバープレート交付は無料で、壊したときなどの再交付は1枚200円です。

新しく買ったときに必要な書類は、申告書兼標識交付申請書、販売証明書、要件確認書類(カタログや型式認定番号標など)、本人確認書類です。販売店で受け取る販売証明書をなくさないよう、購入時にまとめて保管しておきましょう。

手順や受付方法は自治体ごとに少しずつ違います。お住まいの自治体の公式サイトで「特定小型原動機付自転車 ナンバー」と調べてから出かけると、二度手間を防げます。

ナンバーを付けずに走ると法令違反になります。「近所だけだから」と、登録前に試し乗りしないようにしてください。

自賠責保険は契約期間で保険料が変わる

特定小型原付は、自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)または共済への加入が義務です。保険料は損害保険料率算出機構の基準料率表で決まっており、2026年11月1日以降に始まる契約から改定されます(離島・沖縄県を除く)。

📊 特定小型原付の自賠責保険料(基準料率)
契約期間 現行料率 2026年11月1日以降始期
12か月 6,650円 7,430円
24か月 8,040円 9,040円
36か月 9,400円 10,610円
60か月 12,040円 13,620円

表を見るとわかるように、長い期間でまとめて契約するほど1年あたりの負担は軽くなります。数年は乗るつもりなら、60か月契約を検討する価値があります。

注意点として、自賠責保険は相手をけがさせたときの対人賠償が対象で、相手の物を壊した場合や自分のけがは補償されません。任意保険の特約などで対応できるかは、加入している保険会社に確認してください。どの保険がよいかは補償内容と保険料を見比べて、ご自身で判断することをおすすめします。

軽自動車税は年2,000円、ヘルメットは努力義務

特定小型原付には、軽自動車税(種別割)がかかります。大阪市の案内では年税額2,000円で、令和6年度から課税されています。毎年、市区町村から納税通知書が届く仕組みです。

ヘルメットは、警察庁の解説で着用が努力義務とされています。罰則はありませんが、転んだときに頭を守るのはヘルメットだけです。自転車用ヘルメットの規格品を選び、あごひもをしっかり締めて使いましょう。

本体価格の234,000円に加えて、自賠責保険料、毎年の軽自動車税、ヘルメット代がかかる、と考えておくと、購入後に慌てずに済みます。

MUの購入時と、その後にかかる費用の詳しい内訳は、こちらの記事でまとめています。

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公道ではどこを走れる?知らないと罰則になるルール

車道の左側が原則、信号のある交差点では二段階右折

MUを含む特定小型原付は、車道の左側を走るのが原則です。自転車道がある場所では自転車道も走れます。警察庁の解説では、信号のある交差点で右折するときは二段階右折が必要とされています。

二段階右折とは、交差点をいったんまっすぐ渡り、向きを変えて止まってから、信号に従ってもう一度渡る方法です。自転車に乗っている方にはなじみのある動きですが、車の右折レーンに入ってしまうと違反になります。

車道を20km/hで走っていると、後ろから車に追い越される場面が多くなります。そのため、車道の左端に寄って、ふらつかずに一定の速度で走ることが大切です。ライトや反射材で自分の存在を知らせる工夫も欠かせません。

雨の日や夜間は、車から見えにくくなります。無理に乗らず、公共交通機関に切り替えるなどの判断も必要です。

歩道を走れるのは「6km/hモード+表示灯点滅」のときだけ

特定小型原付は、原則として歩道を走れません。例外は、最高速度表示灯を点滅させ、6km/hに制限した「特例特定小型原動機付自転車」の状態で、通行が認められた歩道などを走る場合です。MUの歩道モード(約6km/h)は、この例外に対応するための機能です。

歩道モードにすれば、どんな歩道でも走れるわけではありません。自転車の通行が認められた歩道などに限られ、歩行者が優先です。歩行者の近くでは止まるか、降りて押して歩く意識が必要です。

よくある失敗パターン②:車道モードのまま歩道に上がり、20km/hに近い速度で走ってしまうケースです。原因は、モードの切り替えを忘れることと、歩道に上がれば安全だと思い込むことです。対策は、歩道に入る前に必ず止まってモードを切り替え、表示灯の点滅を確認する習慣をつけることです。

罰則は自転車より重い、飲酒と二人乗りは厳禁

特定小型原付の違反には、自転車とは異なる罰則があります。警察庁の解説では、二人乗りは5万円以下の罰金等、駐停車禁止場所への駐車などは15万円以下の罰金等とされています。

飲酒運転は5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象です。「自転車っぽいから少しくらい」は通用しません。飲み会の帰りは、MUを置いて帰るのが正しい判断です。

なお、2026年4月1日からは、16歳以上の自転車の運転者も交通違反に青切符が切られるようになりました(警察庁 自転車ポータルサイト)。MUは自転車ではないので、自転車の青切符とは別に特定小型原付のルールが適用されます。どちらに乗るにしても、交通ルールを守ることが自分を守ることにつながります。

⚠️ MUで走り出す前にチェック

・運転する人は16歳以上か(16歳未満への提供も罰則対象)
・ナンバープレートを取り付け、自賠責保険に加入したか
・歩道に入る前に歩道モード(約6km/h)に切り替え、表示灯の点滅を確認したか
・信号のある交差点では二段階右折をするか
・二人乗り・飲酒運転は絶対にしない

似た乗り物と比べて、MUを選ぶ意味はどこにある?

ペダル付き電動バイク(モペット)は免許が必要

「こがない自転車」を探していると、ネット通販で安いペダル付き電動バイク(モペット)を見かけることがあります。見た目は自転車ですが、千葉県警察の解説によると、一般原動機付自転車などに当たり、運転免許が必要です。

さらに、2024年(令和6年)11月1日の法改正で、モーターを使わずペダルだけでこいで走っても、一般原動機付自転車等の運転に当たることが明確になりました。「ペダルでこげば自転車」という説明は、今は通用しません。歩道は、いかなる理由があっても走れません。

ナンバープレート、ヘルメット、保安基準を満たした装置、自賠責保険も必要です。免許を持っていない方が買っても、公道では乗れません。価格の安さだけで選ぶと、使い道のない乗り物を買うことになりかねません。

「電動アシスト自転車」として売られている製品にも、基準を満たさないものがあります。見分け方は、こちらの記事で詳しく解説しています。

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glafit NFR-01 Proとの比較で見えるMUの個性

同じ特定小型原付の自転車型として比較されることが多いのが、glafit NFR-01 Proです。標準モデルの価格は249,700円(4G LTEモデルは297,000円)、重量24kg、航続距離46km(JEMPA基準44km)、充電時間5時間です。

大きな違いはタイヤとたたみ方です。NFR-01 Proは14×2.125の小さなタイヤで、ハンドルポストと足置きのペダルが折りたためます。車に積んで出かけたい方や、玄関に置く場所が限られる方に向いています。ペダルは付いていますが、こいでも進まない足置きです。

MUは20×2.125 HEの大きめのタイヤで、段差や路面の荒れに強く、座り心地の安定感を重視した作りです。毎日の買い物や通勤など、同じ道を何度も走る方にはMUが合いやすいでしょう。

注意点として、どちらも価格はアシスト自転車より高めです。走行距離はほぼ同じなので、使う場所と保管場所で選ぶのが近道です。

実は「ペダルがない」ことが安心材料になる

意外と知られていないのですが、MUにペダルがないことは、弱点というより「迷いがない」という強みになります。先ほどのモペットのように、ペダルが付いている電動の乗り物は、「こげば自転車として乗れるのでは」という誤解を生みやすく、実際に取り締まりの対象になってきました。

MUはペダルがないので、最初から特定小型原付として扱うしかありません。乗る人も周りの人も、どのルールに従えばよいかがはっきりしています。国内の大手自転車メーカーが作っているので、販売店での点検や修理を受けやすい点も安心材料です。

購入時は、国土交通省の性能等確認制度による「性能等確認済シール」など、保安基準への適合を示す表示があるかを確認しておくと安心です。

Q MUのバッテリーが切れたら、ペダルでこいで帰れますか?
A MUにはペダルがないので、こいで帰ることはできません。24.0kgの車体を押して歩くことになります。出かける前に残量を確認し、往復の距離に余裕を持たせておきましょう。

MUが向いている人・向かない人、買う前のチェック手順

MUが向いているのは「短い距離をこがずに移動したい16歳以上」

MUが力を発揮するのは、坂道がある片道数kmの移動を、汗をかかずに済ませたい方です。駅までの送迎がない地域での通勤、坂の上の自宅と買い物先の往復、膝への負担を減らしたい方の日常の移動などが当てはまります。

電動キックボードの立ち乗りに不安がある方にも、座って乗れるMUは選びやすい乗り物です。サドルの高さや乗り方が自転車に近いので、自転車に乗り慣れた方なら、すぐに扱えるようになるでしょう。

ただし、20km/hまでしか出ないので、幹線道路が中心のルートでは車の流れについていけません。通勤ルートに交通量の多い車道がないかを、事前に地図で確認しておきましょう。

向かないのは「長距離・子ども乗せ・16歳未満」

MUの走行距離は約47kmなので、週末に長距離を走りたい方には向きません。ロングモードで約107km走れるViVi・DXのようなアシスト自転車のほうが安心です。

子どもを乗せる使い方もできません。MUは乗車定員が1人で、二人乗りは禁止です。子どもの送り迎えには、子ども乗せ専用の電動アシスト自転車を選んでください。

また、家族に16歳未満の子どもがいて、1台を共有したい場合も向きません。高校生になるまで子どもは運転できないためです。家族で使い回すなら、年齢制限のないアシスト自転車が現実的です。

🎯 目的別おすすめ
目的・シーン おすすめの選択 価格(税込)
坂の多い街で、こがずに短距離移動 パナソニック MU 234,000円
車に積んで出先で使いたい glafit NFR-01 Pro(折りたたみ対応) 249,700円
長距離・家族で共有・中学生の通学 電動アシスト自転車 ViVi・DX 143,000円

購入前に確認したい5つの手順

MUを買うと決めたら、次の順番で確認しておくと失敗を防げます。

①乗る人が16歳以上で、身長141cm以上、荷物を含めて75.0kg以内かを確認する
②保管場所が地上にあるか、24.0kgの車体を無理なく出し入れできるかを確認する
③通勤・通学のルートが車道中心で走りやすいか、地図で確認する
④販売店で販売証明書を受け取り、市区町村でナンバーの手続きを進める
⑤自賠責保険に加入し、ヘルメットを用意してから乗り出す

特に②と③は、買った後に気づいても変えにくいポイントです。販売店で試乗できる場合は、実際に押して歩いたり、スタンドを立てたりして、重さを体感してから決めると安心です。

バッテリーは、パナソニックの電動アシスト自転車と多くの部品を共通化しています。消耗品やバッテリーの交換は、購入した販売店に相談するのが確実です。

まとめ

🚲 この記事の結論

パナソニックのこがない自転車はMUで、法律上は免許不要の特定小型原付です。16歳以上か、ナンバーと自賠責を用意できるかを確かめてから選びましょう。

✅ 要点チェック
  • ✔ 正体は特定小型原付:ペダルがなくスロットルで進む
  • ✔ 16歳以上が条件:中学生の通学には使えない
  • ✔ 手続きが必要:ナンバー・自賠責・軽自動車税
  • ✔ 歩道は例外のみ:6km/hモードと表示灯点滅が条件
  • ✔ 距離重視ならアシスト:ViVi・DXは長距離に強い

まずは、ご自身の通勤や買い物のルートを地図で見直し、「車道を20km/hで走れる道か」「片道の距離に余裕があるか」を確かめてみてください。そのうえで販売店に足を運び、24.0kgの車体を押して重さを体感すると、自分に合う乗り物かどうかがはっきり見えてきます。こがない楽さを取るのか、距離と自由度を取るのか。その答えが出れば、MUとアシスト自転車のどちらを選んでも後悔しにくくなります。

※価格・保険料・税額・交通ルールは記事作成時点の公式情報に基づきます。最新情報は公式サイトでご確認ください。

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この記事を書いた人

自転車の教科書編集部です。テーマに関する基礎知識や選び方を、公式情報など確認できる情報をもとに編集しています。掲載後も定期的に見直し、変更があれば更新します。

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