自転車ペダル異音はどこが鳴っている?左ペダルの逆ネジと35〜55N·mで直す手順

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こぐたびに足元から「パキッ」「カチッ」「ギシギシ」と音がする。止まって眺めても何も変わっていないように見えるのに、走り出すとまた鳴る——ペダルまわりの異音は、自転車店の売り場でもいちばん多い相談のひとつです。放っておくと部品が傷んで修理代が大きくなることもあれば、ねじを締め直すだけで数分で消えることもあります。

結論から言うと、ペダル異音の多くは「ペダルのねじ部の緩み」「ペダル軸のベアリング」「クランクとBB(ボトムブラケット)」のどれかです。ただし、実はサドルやチェーン、ビンディングのクリートが鳴っているのに「ペダルの音」に聞こえているケースも少なくありません。だからこそ、いきなり部品を買う前に、鳴っている場所を切り分けることが近道になります。

この記事では、音の種類と鳴るタイミングから原因を絞る方法、シマノ公式マニュアルの締付けトルクにもとづく直し方、自分で直すときの失敗パターン、そして自転車店に任せる場合の工賃の目安まで、順番に整理しました。

🚲 この記事でわかること

・音の種類と鳴るタイミングで、ペダル・クランク・BBのどこが原因かを絞る方法
・左ペダルが逆ネジである理由と、シマノ公式の締付けトルク35 – 55 N·mの意味
・ペダルを外して付け直す手順と、ねじ山を傷める2つの失敗パターン
・自転車店に任せる判断ラインと、公式料金表にもとづく工賃の目安

目次

自転車ペダル異音は「どこが鳴っているか」の切り分けから始める

自転車ペダル異音は「どこが鳴っているか」の切り分けから始めるの解説画像

音の種類で当たりをつける

最初にやるべきは、音の「種類」を言葉にしてみることです。音の性質で、疑うべき部品を絞り込めます。

理由は、部品ごとに鳴り方の癖があるからです。ペダルのねじ部やクランクの固定部が緩んでいると、踏み込んだ瞬間に金属同士がわずかにずれて「パキッ」「カキッ」という乾いた音になります。一方でペダル軸の中のベアリングが傷んでいると、回すたびに「ゴリゴリ」「シャリシャリ」という連続した音が出ます。「キーキー」「チュルチュル」という高い音なら、チェーンの油切れが疑わしいところです。

たとえば通学用のママチャリで「右足を踏むたびにパキッ」なら右ペダルかクランク、「こいでいる間ずっとシャリシャリ」ならベアリングかチェーン、という具合に当たりをつけられます。下の表を目安にしてください。

ただし注意したいのは、音は金属のフレームを伝わって響くため、鳴っている場所と聞こえる場所がずれることです。「右から聞こえるから右ペダル」と決めつけず、次の見出しで紹介する切り分けを組み合わせてください。

🎯 音の種類別・まず疑う場所
音・症状 まず疑う場所 最初にやること
踏んだ瞬間にパキッ・カキッ ペダルのねじ部、左クランクの固定部 ペダルとクランクの増し締め確認
回すたびにゴリゴリ・シャリシャリ ペダル軸のベアリング、BB ペダルを手で回して引っかかりを見る
キーキー・チュルチュル チェーンの油切れ チェーンの清掃と注油
座ったときだけギシギシ サドル・シートポスト 立ちこぎで音が消えるか確認
引き足や着地でカチカチ ビンディングのクリート クリート固定ボルトの確認

「手で回して鳴るか」「踏んだ時だけ鳴るか」を分ける

次に、力をかけずに回しても鳴るのか、体重をかけたときだけ鳴るのかを分けます。これで「回転部分の不調」か「固定部分の緩み」かがはっきりします。

やり方は簡単です。①スタンドを立てるか、後輪を少し持ち上げる ②ペダルを手でゆっくり逆回転させる ③次にペダル本体だけを指でくるくる回す、の3つを試します。手で回しても鳴るなら、BBやペダル軸といった「回る部分」が怪しいと考えられます。逆に、手では無音なのに乗って踏んだときだけ鳴るなら、ペダルのねじ部やクランクの固定部など、力がかかって初めてずれる「締結部」が有力です。

ペダル本体を指で回したとき、スムーズに回らずザラついた感触がある、あるいは止まる位置が毎回同じでカクッと引っかかる場合は、ペダル内部のベアリングが傷んでいるサインです。

注意点として、手で回す確認はチェーンが絡んでいない状態で行い、指をギアやチェーンの間に入れないようにしてください。シマノのマニュアルでも、ギアの歯先に触れないよう注意書きがあります。

立ちこぎと座りこぎで音が変わるか確かめる

3つ目の切り分けは、乗り方を変えたときに音が変わるかどうかです。立ちこぎで音が消えるなら、ペダルではなくサドルまわりが犯人である可能性が高くなります。

理由は、ペダルを踏むと体重移動でサドルやシートポストにも力がかかり、その「ギシッ」という音がペダルのタイミングと重なって聞こえるからです。座ってこぐときだけ鳴り、立ってこぐと無音になるなら、サドルのレール固定部やシートポストの差し込み部を点検するほうが先です。反対に、立ちこぎで強く踏んだときほど大きく鳴るなら、ペダル・クランク・BBのどこかに負荷がかかって鳴っていると考えます。

もう1つ、左右どちらの足で踏んだときに鳴るかも記録しておくと役立ちます。片側だけで鳴るならその側のペダルやクランク、両側で鳴るならBBの可能性が上がります。

注意したいのは、確認のために交通量の多い道で片手運転やふらつき運転をしないことです。公園の外周や自宅前の安全な場所で、ゆっくり試してください。こうした切り分けの考え方は、ペダル以外の異音にも応用できます。

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ペダル本体が鳴っているときに見るべき3か所

ねじ部の緩みは「左ペダルが逆ネジ」を知っているかで決まる

ペダル本体の異音でいちばん多いのが、クランクにねじ込んでいる部分の緩みです。そしてここを直すときに必ず知っておきたいのが、左ペダルは逆ネジだという点です。

シマノのSPDペダルのディーラーマニュアルには「右ペダルは右ネジ、左ペダルは左ネジです」と明記されています。これは、こいでいる最中にペダルの回転でねじが緩まないようにするための設計です。覚え方としては、左右とも「自転車の前方に向かってレンチを回すと締まる」と考えると迷いません。

ねじ部が緩んでいると、踏み込むたびにペダル軸とクランクのねじ山がわずかに動いて「パキッ」と鳴ります。ママチャリでもロードバイクでも同じ構造なので、車種を問わず最初に確認する価値があります。

注意点は、緩みを放置するとクランク側のねじ山が削れていくことです。クランクのねじ山が傷むとペダル交換だけでは済まず、クランク交換が必要になることもあります。「最近ペダルがぐらつく」と感じたら早めに確認してください。

📖 用語チェック

逆ネジ(左ネジ)=一般的なねじとは逆に、反時計回りで締まるねじ。自転車では左ペダルが逆ネジ。シマノのPD-M9100などは左ペダルのねじ部に溝があり、PD-ME700は軸にL・Rの刻印があるので、左右の見分けに使えます。

軸のガタとベアリングの傷みは指先で分かる

ねじ部がしっかり締まっているのに鳴る場合は、ペダル軸のガタやベアリングの傷みを疑います。これは指先の感覚で確認できます。

確認方法は、①ペダル本体をつまんで軸の方向(内側・外側)に押し引きする ②上下に揺すってみる ③指で回して回転の滑らかさを見る、の3つです。カタカタとしたガタがある、回すとザラつく、という状態なら内部のベアリングや玉当たりに問題があると考えられます。シマノのマニュアルでも、回転部分に異常のある場合は調整が必要で、販売店または代理店へ相談するよう案内されています。

比較的高価なスポーツ用ペダルは軸の回転を調整・グリスアップできる構造のものがありますが、ママチャリに付いている樹脂や鉄のペダルは分解整備を前提としていないものが多く、交換したほうが早いケースが大半です。

注意点として、ベアリングの玉当たり調整は締めすぎると回転が重くなり、緩すぎるとガタが残る繊細な作業です。専用工具も必要になるため、不安なら自転車店に任せるのが無難です。

踏み面・ピン・リフレクターのガタつきも音を出す

見落としがちなのが、ペダルの軸ではなく「外側の部品」が鳴っているケースです。踏み面の樹脂パーツ、滑り止めのピン、反射板(リフレクター)のがたつきも、踏むたびにカチカチと音を出します。

理由は、これらの部品が小さなねじやツメで固定されていて、振動で少しずつ緩みやすいからです。特に通学や通勤で毎日使うママチャリは、段差での振動や駐輪時の転倒でリフレクターが割れたり外れかけたりしていることがあります。

確認方法は、ペダルを手で押さえて踏み面の端やリフレクターをつまみ、動くかどうかを見るだけです。動く部品があれば、ねじの増し締めか部品の交換で音が消えることがあります。フラットペダルの滑り止めピンは、1本だけ緩んでいても靴底と当たるたびに音が出ます。

注意点として、反射板は夜間に後方や側方から存在を知らせる役割を持っています。割れたまま取り外してしまうのではなく、交換するか、ペダルごと交換することを考えてください。

クランクとBBから鳴る「パキパキ」の正体

クランクとBBから鳴る「パキパキ」の正体の解説画像

左クランクの固定部は12 – 14 N·mの管理がカギ

ペダルを締め直しても消えない「パキパキ」音は、ペダルを支えているクランクの固定部が原因のことがあります。特にスポーツ車の2ピースクランクでは、左クランクの固定部が要注意です。

シマノのクランクセットのディーラーマニュアルには、「ボトムブラケット軸と左クランク締結部からキシミ音が発生した場合、締結部のグリスアップをおこない、指定トルクで確実に締付けてください」とあります。左クランクアームの締付けトルクは12 – 14 N·mと指定されています。

クロスバイクやロードバイクで、強く踏み込んだときだけ左側から鳴る場合は、この部分を疑う価値があります。一方、ママチャリに多い四角いテーパー軸(スクエアタイプ)のクランクは構造が違うため、同じ手順は当てはまりません。

注意点は、クランクの固定ボルトは左右2本を交互に少しずつ締めるなど、手順とトルク管理が決められていることです。片側だけを強く締めたり、トルクレンチなしで勘で締めたりすると、ボルトやクランクを傷めるおそれがあります。不安なら自転車店に任せてください。

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BBのガタは「クランクを横に揺する」で確認できる

BB(ボトムブラケット)は、左右のクランクをつなぐ軸と、それを支えるベアリングが入った部品です。ここにガタや傷みが出ると、踏むたびに「コキッ」「パキッ」と鳴ったり、回すたびにゴリゴリしたりします。

確認方法は、①ペダルが真下と真上に来る位置でクランクを止める ②左右のクランクをつかんで車体の横方向に揺する ③カタカタとした遊びがないかを見る、の3手順です。シマノのマニュアルには「ボトムブラケットの軸にガタが感じられるようになったら交換してください」とあり、ガタはBB交換のサインとして扱われています。

クランクをつかんで揺すったときに動くのが「ペダルだけ」ならペダル、「クランクごと」ならBB、というように、どこを持って動くかで原因が分かれます。

注意点として、BBの交換にはクランクを外す作業と専用工具が必要です。BBのねじ部は締付けトルクが35 – 50 N·mと大きく、規格も車種によって異なります。自分で交換するより、まずは自転車店で診断してもらうのが確実です。

⚠️ 作業前にチェック

BB・クランクの脱着は、規格(スクエアタイプ/2ピースクランクなど)ごとに工具と手順が違います。締付けトルクを守らないと、ボルトの破損やクランクの脱落につながるおそれがあります。ガタや異音の原因がBBだと分かった時点で、無理に分解せず自転車店へ相談してください。

雨の日や洗車のあとから鳴り出したら水の侵入を疑う

「雨の日に走ったあとから鳴るようになった」「洗車してから音がする」という場合は、BBやペダル軸に水が入った可能性があります。

シマノのクランクマニュアルには、「ボトムブラケット周辺の高圧洗車はおこなわないでください。ベアリング部に水が入り、音鳴り、固着する場合があります」と注意書きがあります。水が入るとグリスが流れ、金属同士がこすれて音が出たり、サビの原因になったりします。

ガソリンスタンドやコイン洗車場の高圧ノズルを自転車に向けるのは避け、バケツの水とスポンジで洗うのが基本です。洗浄液についても、マニュアルは中性の洗浄液を使うよう指定しています。アルカリ性や酸性の洗浄液は変色の原因になることがあります。

注意点は、雨で濡れた直後に一時的に鳴り、乾くと消える音もあることです。1〜2日様子を見て消えなければ、グリス切れやベアリングの傷みを疑い、点検に出してください。

ペダルのせいにされがちな、意外な犯人たち

実はクリートの緩みがペダルの音に聞こえている

意外と知られていないけれど、ビンディングペダルを使っている人の「ペダル異音」は、ペダルではなく靴底のクリートが原因のことがよくあります。

クリートは靴底にボルトで固定されていて、シマノのSPDペダルのマニュアルでは、仮止めは2.5 N·m、位置を決めたあとのクリート固定ボルトは5 – 6 N·mで締付けるよう指定されています。ここが緩むと、踏み込みや引き足のたびにクリートと靴底がずれて「カチッ」「キシッ」と鳴ります。クリートの位置は前後20mm、左右5mmの範囲で調整できる構造なので、緩むと位置自体もずれてしまいます。

見分け方は、普通のスニーカーで同じ自転車に乗ってみて音が消えるかどうかです。消えるなら、ペダル本体ではなくクリートや靴側を疑いましょう。靴底のクリートが削れて減っている場合も、はまり具合が甘くなって音が出ます。

注意点として、クリートが緩んだまま走ると、止まるときにペダルから足が外れにくくなることがあります。立ちごけにつながるので、乗る前に靴底をひと目確認する習慣をつけてください。

チェーンとチェーンリングの接触音は変速で消える

ペダルを回すたびに「シャーッ」「チリチリ」と鳴る場合、チェーンがフロントの変速機やチェーンリングに触れている可能性があります。これは部品の故障ではなく、ギアの組み合わせで起こる音です。

シマノのクランクマニュアルには、チェーンとフロントチェーンリング、またはフロントディレーラーが接触して音鳴りが発生する場合があり、そのときはリアのギアを1〜2段変速するよう書かれています。前が大きいギアで後ろも大きいギア、前が小さいギアで後ろも小さいギア、というように「たすき掛け」の状態になると、チェーンが斜めに走って触れやすくなるためです。

クロスバイクやロードバイクで、特定のギアのときだけ鳴るならこのパターンです。変速して音が消えれば、ペダルの問題ではありません。

注意点は、どのギアでも擦れる音が続く場合は、変速機の調整がずれている可能性があることです。その場合はディレイラーの調整を見直すか、自転車店に相談してください。

チェーンの油切れとサドルのきしみを見分ける

最後に、チェーンの油切れとサドルのきしみも、ペダル異音と勘違いされやすい代表格です。

チェーンが乾いていると、ペダルを回すたびに「キュルキュル」「チュンチュン」という高い音が連続して出ます。チェーンを指でなぞって油分がなく、表面が茶色くサビかけているなら、清掃と注油で音が消えることが多いです。シマノのマニュアルでも、チェーンを中性洗剤で洗浄し注油することがギアとチェーンの寿命を延ばすと案内されています。

サドルのきしみは、先ほど紹介したとおり「座ったときだけ鳴り、立ちこぎで消える」のが特徴です。サドルのレールと固定金具、シートポストとフレームの差し込み部から「ギシッ」と鳴ります。

注意点として、チェーンへの注油は付けすぎると砂やホコリを呼び込み、かえって汚れと摩耗を早めます。注油したら余分な油をウエスで拭き取るところまでが1セットです。油切れを繰り返すほどチェーンが伸びている場合は、交換時期も確認してください。

自分で直すなら、工具とトルクの基準を先にそろえる

用意する工具はペダルレンチ1本とグリスから

ペダルのねじ部の緩みやきしみを自分で直すなら、最低限そろえたいのはペダルレンチとグリスです。

シマノのマニュアルでは、ペダルの取付けに15mmスパナまたは8mm六角レンチを使うと書かれています。ペダル軸の根元に平らな面(スパナ掛け)があるタイプは15mmのペダルレンチ、軸の裏側に六角穴があるタイプは8mmの六角レンチで回します。一般的なスパナは口が厚くてペダルとクランクのすき間に入らないことが多いため、専用のペダルレンチがあると作業がスムーズです。

ホーザンのC-200 ペダルレンチは、口サイズ15×15mm、全長310mm、重量330gで、口の厚さはオフセット側7mm、ストレート側4.5mmの2種類を備えています。厚型は固着したペダルを外すとき、薄型はビンディングペダルなどスパナが入りにくいペダルに使い分ける設計です。メーカー価格は3,091円(税込)です。

注意点として、ホーザンの製品情報には「公称15mmでも小さめのネジがよくあります」とあり、アソビが大きい場合は使わないよう書かれています。斜め掛けで無理に回すと、ねじと工具の両方を傷めます。

📋 スペックカード:HOZAN C-200
重量 330g(メーカー公表値)
サイズ・対応規格 口サイズ15×15mm/全長310mm
素材・仕様 クロムバナジウム鋼鍛造成型・パーカー仕上げ/口厚はオフセット側7mm・ストレート側4.5mm
価格 メーカー価格3,091円(税込)

厚口と薄口の2種類で固着ペダルもビンディングペダルも回せる15mmレンチなら、この1本▼

ペダルを外して付け直す6つの手順

ねじ部のきしみは、ペダルを一度外してグリスを塗り直すだけで消えることがあります。手順は次のとおりです。

①ペダルとクランクの左右を確認する(右はチェーンのある側) ②ペダルレンチを軸のスパナ掛けにしっかり奥まで掛ける ③右ペダルは反時計回り、左ペダルは時計回りに回して外す(どちらも「自転車の後方に向かって回す」と緩む) ④ねじ山とクランク側のねじ穴の汚れを布で拭き取る ⑤シマノのマニュアルにあるとおり、ねじ部へ少量のグリスを塗布する ⑥最初は手で回してねじ込み、最後にレンチで締付ける。

グリスはペダルやベアリングにも使えるシマノのプレミアムグリス 50gなどが使えます。メーカー希望小売価格は1,494円程度(販売店・時期により変動)です。

ここで起きやすい失敗が、左ペダルを外すときに普通のねじと同じ向きに力いっぱい回してしまうことです。緩めているつもりで締め込んでいるので、いくら力を入れても外れず、最後にはねじ山を傷めます。対策は、作業前に「左は逆ネジ、後方へ回すと緩む」と声に出して確認することです。

注意点として、⑥で最初からレンチで回すと、斜めにねじ込んでねじ山を潰す原因になります。必ず手で数回転ねじ込めることを確かめてからレンチを使ってください。

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締付けトルクは35 – 55 N·m、長いパイプで延長しない

付け直したペダルは、決められた力で締めることが大切です。シマノのマニュアルでは、ペダルの締付けトルクは35 – 55 N·mと指定されています。

締付けが弱いと再びねじ部が動いて異音が戻り、強すぎると次に外すときに固着の原因になります。正確に管理するならトルクレンチを使いますが、持っていない場合は締付けを確認するためにも、自転車店での増し締めを検討してください。

固着して外れないペダルでよくある失敗が、レンチに鉄パイプを継ぎ足して延長したり、レンチに乗ったり、ハンマーでたたいたりすることです。ホーザンの製品情報でも、これらは工具の破損や思わぬ事故につながるとして禁止されています。対策は、浸透性潤滑剤を使い、時間を置いてから外すこと。それでも外れなければ無理をせず自転車店に任せるほうが、クランクごと交換するより安く済みます。

📊 ペダルまわりの締付けトルク早見表(自転車の教科書調べ・シマノ公式マニュアルより)
部位 締付けトルク 異音との関係
ペダル(クランクへの取付け) 35 – 55 N·m 緩むと踏み込みでパキッ
左クランクアーム 12 – 14 N·m キシミ音はグリスアップ+指定トルク
BB(ねじ切り・アダプター) 35 – 50 N·m ガタが出たら交換
SPDクリート固定ボルト 5 – 6 N·m(仮止め2.5 N·m) 緩むと引き足でカチッ

自転車店に任せるべきサインと工賃の目安

この症状が出たら自分で触らず持ち込む

次のような症状があるときは、自分で分解せず自転車店に持ち込むのが正解です。ペダル異音の中には、放置すると走行中の部品脱落につながるものがあるからです。

具体的には、①クランクを横に揺するとカタカタ動く(BBのガタ) ②ペダルを締めてもすぐ緩む、ねじが最後まで入らない(クランク側のねじ山の損傷) ③ペダルが固着してレンチで外れない ④クランクそのものがぐらつく、の4つです。シマノのマニュアルでも、乗車時のペダリングに異常を感じたときは販売店へ相談するよう案内されています。

通学や通勤で毎日乗っている人ほど「今日だけ乗って週末に直そう」と先延ばしにしがちです。しかし、ガタのある状態で乗り続けると、BBやクランクの消耗が進み、修理範囲が広がります。

注意点として、電動アシスト自転車はクランクまわりにセンサーやモーターが組み込まれている車種があり、一般車とは構造が違います。電動アシスト自転車の異音は、購入店かメーカー対応の自転車店に相談してください。

公式料金表で見るペダル・BB修理の工賃

自転車店に任せるといくらかかるのか、目安を知っておくと安心です。ここではサイクルベースあさひの公式料金表に掲載されている工賃を整理しました。

ペダル交換(左右セット)の工賃は1,760円(税込)、BBガタ調整は1,760円(税込)です。BB交換になると、スポーツ車のカートリッジBB交換が5,500円(税込)、ホローテックⅡなどのBBシャフト一体型のBB交換が6,600円(税込)、一般車のカートリッジBB交換が7,260円(税込)と上がります。いずれも部品代は別です。

📊 ペダル異音まわりの主な工賃(サイクルベースあさひ公式料金表・税込)
作業 基本工賃 こんな症状のとき
ペダル交換(左右セット) 1,760円 ペダル軸のガタ・ゴリゴリ音
BBガタ調整 1,760円 クランクを揺すると動く
クランク(片側)交換 2,530円 クランク側のねじ山損傷
カートリッジBB交換(スポーツ車) 5,500円 BBの回転不良・ガタ
一般車BB全交換・ベアリング交換 9,460円 ママチャリのBBのゴリゴリ音

注意点として、工賃は店舗・時期により異なり、表は基本工賃のみです。BBガタ調整でペダルの脱着が必要な場合は1つにつき880円(税込)が加算されるなど、作業内容で金額が変わります。

見積もりで伝えると診断が早くなる3つの情報

自転車店に持ち込むときは、音の情報をメモして伝えると診断が早くなります。店員さんがその場で音を再現できないことも多いからです。

伝えたいのは、①どんな音か(パキッ、ゴリゴリ、キーキーなど) ②いつ鳴るか(踏み込んだとき、回すたび、座ったときなど) ③いつから鳴っているか(雨の日のあと、転倒のあと、ペダル交換のあとなど)の3つです。この記事の1つ目の章で切り分けた結果をそのまま伝えれば、店側も確認箇所を絞れます。スマートフォンで音を録画しておくのも有効です。

ここで起きやすい失敗が、「とりあえず全部見てください」とだけ伝えて、必要のない部品交換まで提案されて迷ってしまうことです。症状を具体的に伝え、見積もりを聞いてから作業を決めれば、予算に合わせた判断ができます。

注意点として、作業の優先順位は店側の判断を尊重しつつ、安全に関わる部分(BBのガタ、クランクのぐらつき)は後回しにしないでください。

車種と乗り方で変わる、異音を出さないための習慣

通学・買い物のママチャリは「月1回の揺すりチェック」

ママチャリで毎日通学や買い物に使う人は、月に1回、ペダルとクランクを手で揺すって確認する習慣がおすすめです。

理由は、ママチャリは屋外駐輪で雨ざらしになりやすく、荷物や子どもを乗せて重い負荷がかかるため、ペダルやBBの消耗が進みやすいからです。サイクルベースあさひの案内でも、特に不調がない場合でも3ヶ月から半年に一度を目安に点検を受けることがすすめられています。

確認は30秒で終わります。①ペダルを軸方向に押し引きしてガタを見る ②クランクを横に揺すってBBのガタを見る ③ペダルを指で回して引っかかりを見る。この3つで異常がなければ、日常使いには問題ないと判断できます。

注意点として、ママチャリのペダルは車種によってはチェーンケースの内側にあって作業しにくいものもあります。ペダル交換は工賃1,760円(税込)で依頼できるので、固くて回らない場合は無理をしないでください。

クロスバイク通勤は雨の日のあとが要注意

クロスバイクで通勤している人は、雨の日に走ったあとの異音に注意してください。BBやペダル軸に水が入りやすいタイミングだからです。

雨の日に走ったら、帰宅後にチェーンと駆動部の水を拭き取り、チェーンに注油しておくと、翌朝の「キュルキュル」を防げます。洗車するときも、高圧の水を当てず、スポンジと中性洗剤で洗うのが基本です。

通勤でクロスバイクを使う人は、ペダルレンチが1本あれば、ねじ部の増し締めを自分でできるようになります。一方で、BBのガタや回転の引っかかりは、工具と手順が複雑なので定期点検で見てもらうほうが効率的です。

注意点として、雨の日のあとに一時的に鳴る音は、乾くと消えることもあります。すぐに部品交換を考えず、数日様子を見てから判断しましょう。

ビンディングでロードバイクに乗るなら靴底も点検対象

ビンディングペダルでロードバイクやクロスバイクに乗っている人は、ペダルだけでなく靴底のクリートも点検対象に含めてください。

シマノのSPDペダルのマニュアルでは、乗車前にクリートやスペーサーにガタおよび緩みのないことを確認するよう書かれています。また、ビンディングの固定力は調整ボルトで変えられ、1クリックで1段階、1回転は4クリックです。左右で固定力にばらつきがあると脱着が難しくなるため、左右とも同じように調整するよう案内されています。

ロングライドの前日に、①クリート固定ボルトの緩み ②クリートの削れ ③ペダル本体のガタ、の3点を確認するだけで、走行中の異音と立ちごけのリスクを減らせます。

注意点として、クリートの交換や位置調整は膝の負担にも関わります。位置を大きく変えたあとに膝に違和感が出た場合は、元の位置に戻すか、ショップでフィッティングの相談をしてください。

Q ペダルに潤滑スプレーを吹きかければ異音は消えますか?
A 一時的に音が小さくなることはありますが、ねじ部の緩みやベアリングの傷みは直りません。また、スプレーがベアリング内部のグリスを流してしまうこともあります。ねじ部のきしみは、外してグリスを塗り、指定トルクで締め直すのが基本です。

まとめ

🚲 この記事の結論

ペダル異音の多くはペダルのねじ部・ベアリング・クランクとBBのどれかが原因です。まず音の種類と鳴るタイミングで場所を絞り、ガタがあれば自転車店へ。

✅ 要点チェック
  • ✔ 音の種類で絞る:パキッは緩み、ゴリゴリは回転部
  • ✔ 左ペダルは逆ネジ:後方へ回すと緩む
  • ✔ ねじ部はグリス+規定トルク:35 – 55 N·mが基準
  • ✔ ペダル以外も疑う:クリート・チェーン・サドル
  • ✔ BBのガタは店へ:揺すって動いたら診断を

まずは今日、スタンドを立ててペダルとクランクを手で揺すり、ガタがあるかどうかを確かめてみてください。ガタがなければペダルの増し締めとグリスアップ、ガタがあれば症状をメモして自転車店へ、という2つの道に分かれます。音が小さいうちに手を打つほど、修理は安く短く済みます。

※工賃・価格・トルク値は記事作成時点の公式情報にもとづきます。最新情報は公式サイトでご確認ください。

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この記事を書いた人

自転車の教科書編集部です。テーマに関する基礎知識や選び方を、公式情報など確認できる情報をもとに編集しています。掲載後も定期的に見直し、変更があれば更新します。

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