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ブレーキをかけていないのに、車輪が回るたびに「シュッ、シュッ」とこすれる音がする。前から車輪を見ると、リムが左右にふらついている。そんなとき頭に浮かぶのが「スポークを締めれば直るのでは?」という考えですよね。
結論からお伝えすると、軽い横振れなら、ニップルサイズに合ったスポークレンチ1本と「1/4回転ずつ回す」という原則を守れば自分で直せます。一方で、スポークが折れている、リムが曲がっている、テンションが全体に抜けている、といったケースは自転車店に任せたほうが安全で、結果的に安く済むことも多いんです。
この記事では、ホーザンやParkToolの公式情報をもとに、振れの見つけ方、工具の選び方、横振れ・縦振れの直し方、やってはいけない失敗、そしてお店に頼んだときの工賃まで、売り場で隣について説明するつもりで順番にまとめました。
・横振れ・縦振れ・センターずれの違いと、自分で直せる範囲
・ニップルサイズ(3.2/3.3/3.4mm)で決まるスポークレンチの選び方
・1/4回転ずつ回す横振れ取りの手順と、回す向きで迷わないコツ
・サイクルベースあさひ・ワイズロードの工賃と、店に任せる判断ライン
自転車のスポーク調整とは?振れの正体と自分で直せる範囲

振れは「横」「縦」「センター」の3種類に分けて考える
スポーク調整で直すのは、大きく分けて3種類のゆがみです。リムが左右にふらつく「横振れ」、リムが上下に波打つ「縦振れ」、そしてリムがハブの中心からどちらかに寄ってしまう「センターずれ(お皿)」です。
この3つを分けて考えるのは、直し方が違うからです。横振れは左右どちらかのスポークを締める・緩めるで直し、縦振れは左右両側のスポークを同じだけ動かして直します。センターずれは片側全体のスポークを少しずつ調整する作業になります。
通勤で乗っているクロスバイクやママチャリで多いのは、段差の乗り上げや駐輪場での転倒をきっかけにした横振れです。一方、縦振れは「走ると車体が上下にゴトゴト揺れる」という形で出ます。
注意したいのは、横振れだけを見て締めていくと、縦振れやセンターずれが後から出てくることです。1か所をいじると他の2つにも影響する、という前提を最初に持っておきましょう。
ニップル=リム側でスポークを留めている小さなナット。これをスポークレンチで回して張り(テンション)を変えます。
テンション=スポークがどれだけ強く引っ張られているか。ParkToolによると多くのリムの推奨範囲は100〜120kgf(980〜1177N)です。
振取台=ホイールを固定して回し、振れの量をゲージで見るための作業台です。
スポークの張り具合でリムの位置が決まっている
スポーク車輪は、ハブから左右に伸びたスポークが綱引きのようにリムを引っ張り合うことで形を保っています。右側のスポークを締めればその部分のリムは右へ寄り、左側を締めれば左へ寄ります。
ParkToolの解説でも、リムが左に振れているなら、その部分の右側のニップルを締めて右へ引き戻す、という考え方が基本とされています。縦方向も同じで、リムが低い(ハブに近い)場所は締め、高い場所は緩めて整えます。
この「引っ張り合い」を理解しておくと、自転車店で「テンションが抜けていますね」と言われたときの意味もわかります。張りが弱いスポークがあると、その部分だけリムが外へ逃げて振れが出るわけです。
ただし、スポークは1本だけで効いているわけではありません。1本を大きく締めると周りのスポークの張りも変わるため、少しずつ動かして確かめる作業になります。
自分で直せる振れ・店に任せる振れの境界線
自分で挑戦してよいのは、スポークが全部そろっていて、リムに目立つへこみや割れがなく、振れがブレーキにこする程度の軽いものです。ホーザンのメカニックアカデミーでも、振れ取りは半年~1年ごとのメンテナンス項目で、作業時間の目安は30分とされています。
反対に、スポークが折れている、ニップルが固着して回らない、リムが「く」の字に曲がっている、といった場合はお店向きです。ParkToolは「スポークが3本折れたら新しいホイールを」という目安も示しています。
通勤用のママチャリで後輪が振れている場合、ハブに内装変速やローラーブレーキがついていて車輪の脱着が難しいことも多く、振れ取りそのものより準備で苦労しがちです。
ブレーキの効きに関わる部分なので、作業後にブレーキの当たり方が不安なら、無理をせず自転車店で点検してもらいましょう。
その車輪、本当に振れている?走行中のサインと止まってできる点検
ブレーキのこすれ音と、周期的な「シュッシュッ」が第一のサイン
振れの最初のサインは音です。リムブレーキの自転車では、車輪1回転ごとに同じ場所でブレーキシューがリムに当たり、「シュッ、シュッ」という規則的な音が出ます。
音が1回転に1回なら、1か所だけの振れである可能性が高く、自分で直しやすいパターンです。1回転に何度も鳴る、あるいはずっとこすれている場合は、振れが複数か所にあるか、ブレーキ本体の片効きが原因のこともあります。
ディスクブレーキの車体は、リムの横振れがブレーキ音に出にくいので、見た目の点検が大事になります。ディスクローター自体の曲がりでも似た音が出るため、音だけで「スポークだ」と決めつけないのがコツです。
異音の出どころがはっきりしない場合は、車体を持ち上げて落とす・揺する・回すの3つで切り分けると早いですよ。

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車輪を浮かせて回し、ブレーキシューを目印にする
自宅での点検は、車輪を浮かせてゆっくり回すだけで十分です。スタンドを立てるか、車体をひっくり返してサドルとハンドルで立てると作業しやすくなります。
リムブレーキの車体なら、ブレーキシューとリムのすき間を目印にします。回しながら、すき間が狭くなる場所・広くなる場所を探しましょう。ホーザンの手順でも、振取台のゲージをリムのブレーキ面に近づけ、振れの位置を確認してから回すニップルを決める流れになっています。
ディスクブレーキ車や振取台がない場合は、フレームやフォークに結束バンドやマスキングテープを付けて、先端をリムすれすれに置くと目印として使えます。
注意点は、タイヤの側面を見て判断しないことです。タイヤはビードのはまり方でも左右に揺れて見えるため、振れは必ずリムの金属部分で確認してください。
スポークを握って張りを比べると、ゆるみが見つかる
見た目の振れが小さくても、スポークのゆるみは手で確かめられます。隣り合った同じ側のスポークを2本ずつ、親指と人差し指で軽くつまんでみましょう。他より明らかに柔らかいスポークがあれば、そこがゆるんでいます。
ゆるんだスポークは、走行中に「チン」「パキッ」という音を出すこともあります。放っておくと周りのスポークに負担が集まり、振れが広がる原因になります。
ただし、後輪はギア側と反対側でスポークの角度が違うため、もともと張りに差があります。ParkToolも後輪の片側は全体に張りが低めになると説明しているので、左右で比べるのではなく、同じ側同士で比べるのが正しい見方です。
指での比較はあくまで目安です。数値で管理したいなら、後で紹介するテンションメーターを使います。
よくあるのが、スポークが1本折れているのに気づかず、周りのニップルを締めて振れを「消して」しまうケースです。原因は、折れたスポークがリムの中やハブ側で引っかかって見落とされること。見た目はまっすぐでも、残りのスポークに負担が集中し、次の段差で別のスポークが折れやすくなります。対策は、作業前にスポークを1本ずつ軽くつまんで全部張っているか確認すること。折れていたら振れ取りの前にスポーク交換です。
スポークレンチはどれを選ぶ?ニップルサイズで決まる工具選び

最初に確認すべきはニップルの2面幅
スポークレンチ選びで一番大事なのは、ニップルの「2面幅」に合っているかどうかです。ホーザンの工具解説では、ParkToolのSW-0が2面幅3.2mm用(DT、WheelSmith他)、SW-1が3.3mm用、SW-2が3.4mm用(JIS #14/15用)と色分けされています。
ParkTool公式のSW-7.2の説明では、3.23mmは上位グレードの完組ホイールやDT Swiss・Sapimなどに、3.45mmは量販車やエントリー〜ミドル帯の車体に多いサイズとされています。つまり、ママチャリやエントリークロスバイクなら3.4mm前後、手組みや上位ホイールなら3.2mm前後、とあたりをつけられます。
ほかにも3.9mm用(#12用)、3.7mm用(一部e-bike用)、DT用のトルクスEタイプなど、特殊なサイズもあります。
注意したいのは、見た目だけで判断しないこと。サイズが合わないまま回すとニップルの角が丸くなり、次からレンチがかからなくなります。
家庭用の1本目なら、3サイズ兼用のSW-7.2
どのサイズか迷うなら、3.2/3.3/3.4mmの3サイズが1本にまとまったパークツール SW-7.2 スポークレンチが扱いやすいです。ホーザンの公式価格は1,881円(税込)で、ホーザンの製品ページでも「3サイズ対応で出先でのメンテナンスに最適」「指先に優しい丸みのある形状」と紹介されています。
家族のママチャリと自分のクロスバイクでニップルサイズが違う、という家庭でも1本で対応できるのが利点です。サイズを合わせて試し、ガタなくはまる口を使えばよいので、最初の1本で失敗しにくいですね。
デメリットは、3つの口が並んでいるぶん、ホイールの内側で向きを変えるときに他の口が邪魔になることです。本格的にホイールを組むなら、サイズ専用のSW-0やSW-2のような単体レンチのほうがしっかり握れます。
ニップルサイズで迷うなら、3.2/3.3/3.4mmの3サイズを1本で試せるこのレンチ▼
ママチャリ中心ならC-120の多サイズ円盤型も選択肢
ママチャリや実用車を何台も見る家庭なら、ホーザン C-120 ニップル回しも候補になります。公式価格は605円(税込)で、適応ニップルは#10/12/13/14/15、外形寸法は41φ×10mm、重量は50gです。
円盤のまわりに複数のサイズの溝が切ってあるタイプで、太めのスポークを使う実用車や子ども車にも合わせやすいのが特徴です。価格も手ごろなので、工具箱に1枚入れておく使い方に向いています。
ただし、ホーザンは「アルミニップルには使用しないでください」と明記しています。スポーツ車のホイールには軽量なアルミニップルが使われていることがあるので、ロードバイクやクロスバイクの完組ホイールにはSW-7.2のようなスポーク専用レンチを選んでください。
| 項目 | ホーザン C-120 | パークツール SW-7.2 | パークツール TM-1 |
|---|---|---|---|
| 役割 | ニップル回し(円盤型) | スポークレンチ(3サイズ兼用) | スポークテンションメーター |
| 対応 | #10/12/13/14/15 | 3.2/3.3/3.4mm(#14/15) | エアロスポーク対応 |
| 重量・寸法 | 50g/41φ×10mm | 公式表記なし | 公式表記なし |
| 公式価格(税込) | 605円 | 1,881円 | 21,670円 |
| 注意点 | アルミニップル不可 | 3口が並ぶぶん取り回しに慣れが必要 | 取説は英語、換算表で読む |
サイズ違いでニップルをなめる失敗を防ぐ
工具選びで一番多いトラブルは、ひと回り大きい口で回してニップルの角をつぶしてしまうことです。3.2mmのニップルに3.4mmの口を使うと、最初は回っても力をかけた瞬間にすべり、角が丸くなります。
防ぐコツは、小さいサイズから順に試すことです。SW-7.2なら3.2mmの口から当て、入らなければ3.3mm、3.4mmと上げていきます。はめたときにガタがなく、レンチをニップルの奥まで差し込めたサイズが正解です。
角が丸くなりかけたニップルは、無理に回し続けるとスポークまでねじれてしまいます。そうなったらニップル交換が必要で、サイクルベースあさひの工賃表ではニップル交換が2,750円(部品代込・車輪やタイヤの脱着は別)です。
工具全般をこれから揃えるなら、優先順位を先に決めておくとムダ買いが減りますよ。

自転車のスポーク調整の手順:横振れは1/4回転ずつ追い込む
準備:ホイールを固定して、振れの場所に印をつける
作業は、ホイールをしっかり固定するところから始めます。振取台があれば一番ですが、自宅なら車体に付けたまま、スタンドで車輪を浮かせて回せる状態にすれば十分です。
回しながら、リムが目印に一番近づく場所を探し、タイヤやリムにマスキングテープで印をつけます。ホーザンの手順では、印に最も近く、振れと同じ方向に引っ張るスポークのニップルを「2」、その前後を「1」「3」として、中心から調整していきます。
リムブレーキの車体なら、作業前にブレーキのクイックレリーズを開いておくと、シューに当たらず回しやすくなります。
注意点は、作業後に必ずブレーキを戻すことです。開けたまま走り出すとブレーキがほとんど効きません。作業後の点検リストに「ブレーキを戻す」を入れておきましょう。

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回す量は1/4回転、大きな振れでも1/2回転まで
ニップルを回す量は、1回につき1/4回転(90度)が基本です。ParkToolも1/4回転を目安とし、横振れが大きい場合でも1/2回転(180度)までとしています。ホーザンの手順でも調整は1/4回転単位です。
具体的には、①印の中心にある「2」のニップルを1/4回転締める、②前後の「1」「3」を少なめに締める、③ホイールを回して振れが減ったか確認する、④まだ残っていれば同じ手順を繰り返す、の順で進めます。
通勤前の朝に焦ってまとめて何回転も回すと、振れが反対側に出たり、そこだけ張りが強くなったりします。少しずつ、毎回確認するのが結果的に早いんです。
注意点として、回しても振れが変わらない、ニップルが空回りする、という場合は固着やねじ山の傷みが考えられます。そこで力任せにせず、お店に相談してください。
ニップルを回す向きで迷わない考え方
スポーク調整で多くの人がつまずくのが「どっちに回せば締まるのか」です。ニップルは普通のねじと同じ右ねじですが、ホイールの外側から見るか内側から見るかで、時計回り・反時計回りが逆に見えます。
ParkToolの説明では、リムの下側(ハブ側からリムを見上げる向き)からニップルを見ると、反時計回りに回すと締まるように見えます。混乱したら、「ニップルの頭がリムの外側にあるつもりで、上から見て時計回りが締め」と覚えておけばよいです。
不安なら、実際に回す前にレンチをかけて1/8回転だけ動かし、振れが減る方向か増える方向かを確かめる方法もあります。増えたら逆に戻せばよいだけです。
回す向きを間違えたまま何回も回すと、緩めすぎてスポークが外れかけることもあります。回した量と向きは、慣れるまで声に出して数えましょう。
ParkToolの目安では、横振れは0.5mm以下(一般的なコピー用紙5枚ほど)、縦振れは1mm以下(同じく10枚ほど)です。家庭の作業なら「ブレーキシューに当たらない」を最初のゴールにし、余裕があればこの数値に近づけていく、という段階の踏み方がおすすめです。
仕上げに乗ってなじませ、もう一度点検する
振れが取れたら終わり、ではありません。ParkToolは、調整後に車体に取り付けて乗り、最初の数回のペダリングで「ピン」「パキッ」という音がしても、よくあることで心配ないと説明しています。
これはスポークのねじれや、ハブ・リムとの当たり面がなじむ音です。なじんだあとで少し振れが戻ることがあるので、近所を一周してからもう一度車輪を回して確認しましょう。
このひと手間を省くと、翌朝の通勤でまたブレーキがこすれる、ということになりがちです。確認は2回セットと覚えておくと失敗が減ります。
なお、乗ったあとに音が続く、振れが大きく戻る場合は、張りのバランスが崩れている可能性があります。そのときは次のテンションの考え方を確認してください。
縦振れとテンション、どこまで自分で追えばいい?
縦振れは左右ペアのスポークを同じだけ動かす
縦振れは、リムが上下に波打つゆがみです。直し方は、低い場所(ハブに近い場所)は締め、高い場所は緩める、が基本です。
横振れとの違いは、左右両側のスポークを同じ量だけ動かすことです。右だけ締めるとリムが右に寄って横振れが出てしまうので、隣り合う左右2本を1組として、両方を1/4回転ずつ動かします。
縦振れの確認は、ブレーキシューではなく、リムの外周に目印を近づけて見ます。回したときに目印とのすき間が狭くなる場所が「高い場所」、広くなる場所が「低い場所」です。
ただ、縦振れはタイヤをはめた状態だとタイヤのはまり具合と見分けにくく、自宅での判断が難しい作業です。ブレーキに当たる横振れと違い日常の支障も小さいので、気になる程度ならお店の点検時に相談するのが現実的です。
テンションの目安は100〜120kgf、ばらつきは±20%以内
ParkToolによると、多くのリムの推奨テンションは100〜120kgf(980〜1177N)で、ホイール全体の平均から±20%以内に収まっていれば、張りのバランスとして一般に許容範囲とされています。
ただし、これは一般論で、実際の上限・下限はリムメーカーが決めています。ParkToolも、まずリムメーカーに推奨値を確認するよう勧めています。完組ホイールなら、ホイールメーカーの取扱説明書を見てください。
意外と知られていないけれど、振れ取りでつい忘れがちなのは、振れがなくてもテンションがばらばらなホイールは長持ちしない、という点です。見た目がまっすぐでも、張りの弱いスポークがあると、そこから振れが戻ってきます。振れが何度も再発するなら、スポーク1本の問題ではなく全体の張りを見直すサインです。
数値管理まで家庭でやるのは中級者以上の領域なので、無理に全部を追う必要はありません。
テンションメーターTM-1は誰に必要か
張りを数値で測る道具がスポークテンションメーターで、代表的なのがパークツール TM-1 スポークテンションメーターです。ホーザンの公式価格は21,670円(税込)で、エアロスポークにも対応しています。
ホーザンの製品ページでも、軽量ホイールやディスクブレーキ用ホイールの普及でテンション管理が重要になっている、と紹介されています。ホイールを自分で組む人、手組みホイールを長く維持したい人には意味のある道具です。
一方、ブレーキにこする程度の振れを年に何回か直すだけなら、テンションメーターがなくても作業はできます。価格差が大きいので、まずは点検とレンチだけで始め、振れの再発が続いてから検討しても遅くありません。
取扱説明書は英語で、測った値を換算表で読み替える仕組みなので、初めての人は少し慣れが必要です。
後輪はギア側と反対側で回す量を変える
後輪はスプロケット(ギア)を付けるスペースのぶん、ハブのフランジ位置が左右で違います。そのためギア側のスポークは立ち気味で張りが強く、反対側は寝ていて張りが弱めになります。
ParkToolの説明では、角度の大きい側は小さめに調整するのがよく、後輪なら「ギア側を1/4回転、反対側を1/8回転」という例が示されています。
前輪と同じ感覚で左右を同じ量だけ回していくと、リムが少しずつ片側に寄り、センターずれを起こします。ブレーキのすき間が片側だけ狭くなってきたら、センターがずれ始めたサインです。
センター出しは、リムセンターゲージや振取台で確認する作業になり、家庭では精度を出しにくい部分です。後輪の調整がうまくいかないときは、早めに自転車店へ持ち込むのが安全です。
やりすぎ・固着・特殊ホイール、どこで失敗しやすい?
失敗パターン②:振れを消そうと締め続けてしまう
自分で振れ取りをする人の失敗で多いのが「締めるだけ」で振れを消そうとすることです。左への振れを見つけるたびに右側を締め、右への振れでは左側を締め…と繰り返すと、ホイール全体の張りがどんどん上がっていきます。
原因は、振れを「締めて引き寄せる」ことでしか直していないことです。本来は、振れの反対側を締めるのと同時に、振れている側のスポークを緩める方法も使えます。ParkToolの縦振れの説明でも、高い場所は緩めて直すとされています。
張りが上がりすぎると、リムやニップルに負担がかかり、ニップルが割れたりリムのスポーク穴周りが傷んだりすることがあります。
対策は、締めたら緩める、の両方を意識し、1回の調整で「締め1/4回転、反対側を緩め1/4回転」のようにセットで動かすことです。張りが全体的に上がってしまったと感じたら、そこで手を止めてお店に見てもらいましょう。
・ニップルがアルミ製か真鍮製か(アルミは角がつぶれやすく、C-120は使用不可)
・スポークが丸断面か、エアロ(平たい)断面か
・完組ホイールの専用ニップル・専用レンチが必要か(取扱説明書で確認)
・スポークが全部張っていて、折れていないか
ひとつでも当てはまらない・わからない場合は、自転車店に相談してから作業しましょう。
回らないニップルは固着を疑い、力で回さない
何年も乗ったママチャリや、雨ざらしで保管していた自転車では、ニップルとスポークのねじ山がさびて固着していることがあります。
ParkToolも、ニップルのねじ部の腐食は「振れ取りができないホイール」になる原因だと説明しており、定期的な注油を勧めています。固着したニップルを無理に回すと、ニップルの角がなめるか、スポークがねじれて折れます。
回したときにスポークまで一緒にねじれている感触があったら、それ以上回さないでください。スポークに印をつけて回すと、ねじれているかどうかが見分けやすくなります。
固着したホイールは、ニップル交換やスポーク交換がセットになることが多い作業です。自分で何とかしようとせず、自転車店で見てもらうほうが結果的に早く済みます。
完組ホイールの特殊スポーク・特殊ニップルは手を出さない
ロードバイクやクロスバイクに付いている完組ホイールの中には、エアロスポーク、ストレートスポーク、リムの内側にニップルがある内蔵型など、特殊な構造のものがあります。
ホーザンの工具一覧でも、カンパニョーロ、MAVIC、シマノ製ホイールそれぞれに専用のスポークレンチが用意されています。普通のスポークレンチでは合わないことが多く、無理に回すとホイール全体を傷めます。
サイクルベースあさひの工賃表でも、エアロ・ストレートスポークや特殊ニップルは基本工賃に1,320円(税込)が加算されると明記されています。プロの店でも手間がかかる作業、ということです。
こうしたホイールは、メーカーの取扱説明書を確認し、専用工具がない場合は購入店に相談するのが一番確実です。
お店に頼むといくら?工賃表から見る自分でやるかの判断ライン
サイクルベースあさひの工賃は脱着の有無で分かれる
サイクルベースあさひの公式工賃表では、一般車の振れ取りは車輪脱着不要で1,870円、前輪脱着有りで4,730円、後輪脱着有りで6,160円(いずれも税込)です。タイヤ・チューブを外す場合は1,760円が加算されます。
スポーツ車は、振れ取りの車輪脱着不要が1,870円、車輪脱着有りが4,730円、後輪・スプロケット脱着有りが6,380円です。スポーク交換は一般車の車輪脱着不要で3,740円、スポーツ車の前後車輪脱着が6,600円で、スポーク代は基本工賃に含まれています(特殊ホイールのメーカー純正スポークは別料金)。
ポイントは、車輪を外すかどうかで工賃が変わることです。軽い横振れなら車輪を付けたまま直せることが多く、その場合の工賃はスポークレンチ1本の価格とほぼ同じくらいになります。
料金は店舗・時期により異なる場合があるので、依頼前に店頭で確認してください。
ワイズロードは作業時間5分単位の料金
スポーツ自転車専門店のワイズロードは、公式の工賃表で振れ取りを「5分あたり1,650円」としています。作業時間5分あたりの価格なので、振れの程度で合計が変わる仕組みです。
軽い振れならすぐ終わりますが、振れが大きい、テンションのばらつきを整える必要がある、といった場合は作業時間が延びて工賃が上がります。持ち込む前に「どのくらいかかりそうか」を聞いておくと安心です。
同じ工賃表ではホイール組み1本が13,200円です。振れ取りを何度も繰り返しているホイールなら、組み直しや買い替えも含めて相談する価値があります。
料金は店舗・時期により異なる場合があるため、最新の料金は各店にご確認ください。
DIYかお店か、読者タイプ別の使い分け
自分でやるかお店に頼むかは、振れの大きさと、ホイールの種類で決めるのがおすすめです。ブレーキにこする程度の軽い横振れなら、スポークレンチ1本でのDIYで十分です。
一方、後輪の縦振れやセンターずれ、スポーク折れ、完組ホイールの特殊スポークは、失敗したときの修理費がかさむ作業です。最初からお店に任せたほうが総額が安く済むことが多いでしょう。
| 目的・シーン | おすすめの選択 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| クロスバイクの軽い横振れ | SW-7.2で1/4回転ずつDIY | 工具1,881円 |
| 家族のママチャリを複数台見る | C-120を工具箱に常備 | 工具605円 |
| ママチャリ後輪の振れ(脱着必要) | 自転車店に依頼 | あさひ後輪脱着有り6,160円 |
| スポークが1本折れた | スポーク交換を依頼 | あさひ車輪脱着不要3,740円〜 |
| 手組みホイールを長く維持 | レンチ+TM-1で数値管理 | TM-1は21,670円 |
振れ取りより組み直し・交換を考えるタイミング
振れ取りを何度しても振れが戻る、スポークが続けて折れる、というホイールは、振れ取りだけでは解決しないことがあります。ParkToolは「スポークが3本折れたら新しいホイールを」という目安を示しています。
サイクルベースあさひの工賃表では、ホイールの組替えが前輪11,000円、後輪12,100円(税込、脱着などの他作業は別)です。リムやハブの状態によっては、組み直しより完組ホイールへの交換を勧められることもあります。
通勤で毎日乗るママチャリなら、振れ取りを繰り返すより、後輪をまるごと交換したほうが安心して乗れるケースもあります。
どちらがよいかはリムの摩耗や車体の年数で変わるので、見積もりを2案出してもらい、比べて決めるのがおすすめです。
まとめ
まずは車輪を浮かせてゆっくり回し、振れがどこに何か所あるかを確かめるところから始めてみてください。ブレーキにこする1か所だけならDIYで、それ以外ならお店で見積もりを取る、という分け方で十分です。
※工具の価格・工賃は記事作成時点の各社公式情報です。最新情報はホーザン メカニックアカデミー、ParkTool、サイクルベースあさひ、ワイズロードの公式サイトでご確認ください。

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